2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20416
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
栗崎 周平 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (70708099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 健太郎 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (90764738)
芝井 清久 統計数理研究所, データ科学研究系, 特任助教 (90768467)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核抑止 / 核軍縮 / ゲーム理論 / エスカレーション / 技術革新 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画どおり、研究代表者である栗崎は昨年度から引き続き8月までスタンフォード大学の国際安全保障研究所 (CISAC)に所属し在外研究を行なった。CISAC では、核兵器をめぐる研究者 (政治学、歴史学、工学、実務経験者、技術者)が多数在籍し日々の意見交換や毎週のセミ ナーを通じて、多様な角度からの核兵器 をめぐる諸問題を中心とした 国際安全保障問題について議論をする機会に恵まれている。こうした中で当初の研究課題で あった「核兵器による報復攻撃に基づ かない核抑止戦略」に関する理論モデルの開発に着手し、その中核となるアイディアを論文("Leadership Targeting in Nuclear Deterrence Theory: Its Ethics and Strategy")として執筆した。この論文はまだ追加の分析などが必要であり引き続きワーキングペーパーではあるが、2023年のCISAC内でのワーク ショップで改訂版を報告した。また米国滞在中では2023年5月にイェール大学で開催されたNuclear Securityワークショップに参加し、現在北米を中心に実証的 ないし数理的なアプローチで核兵器をめぐる安全保障研究を行う研究者を一堂に集める研究会議に参加した。ここでは若手が報告しシニア研究者が討論者に回る とうルールであったため研究報告は行わず討論を行なった。他にも核兵器の脅威にさらされる日本などの諸国が採用するミサイル防衛の代替としての先制攻撃に よる損害限定作戦と抑止との関係性に関する理論研究に着手しておりこれは元教子である防衛研究所の本山功氏と共同で数理モデルを用いた分析を展開中であ る。その他の協力者であるフィアロン教授の不確実な早期警戒と先制誘因の下での核エスカレーションのリスク分析、シュルツ教授のNuclear Screeningモデル も共同で検討を行なってきた。
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