2023 Fiscal Year Research-status Report
establishment of basis for power generation with rift-up liquid metal
Project/Area Number |
20K20445
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 長洪 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20274532)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 液体金属 / 楊液体金属発電 / 液体金属シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年10月に本研究に関連する論文がPlasma and Fusion Research誌に掲載された。基礎実験と開発したシミュレーションの比較を行った結果についてまとめたもので、シミュレーション計算は定量的な評価も含めて基礎実験と良い一致を示しており、磁場の勾配が強い場所から表面波が伝搬する様子を再現できている。一方、表面波がぶつかり合う場所の磁場依存性については一致していなかった。この点について論文では液体金属GaLiSnの表面酸化に伴う表面張力の変化を一因としてあげたが、確認には至っていない。アルゴン雰囲気の液体金属用基礎実験装置を製作し、確認実験の準備を進めている。表面酸化を防ぎながら装置にGaLiSnを注入するための特注のグローブボックスを設計した。グローブボックスの製作が終了次第、実験を開始する予定である。 製作したシミュレーション・コードについては米国の核融合関連の研究者が実験結果を説明するために使用するなど、広く認知され始めている。基礎実験との違いが実験側の液体金属の表面張力の違いであることが確認できれば、さらに信頼性が向上して用途が拡大することが期待される。 液体金属の基礎研究とシミュレーションの比較と、GaLiSn以外に錫やリチウムを使った場合のシミュレーション結果について、2023年度の日米科学技術協力協定に基づく液体金属に関するワークショップで博士後期課程学生が発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した計算機コードは本研究の目的である発電量の試算以外に、磁場中での液体金属の流動に大きな影響を与えるMHDドラッグの評価として使用されるなど用途が広がっている。基礎実験との定性的な比較は論文として掲載されている。新規に製作した基礎実験装置は懸案だった液体金属の注入方法についても目途が立ち、おおむね順調に進展していると考える。GaLiSnでの検証を終えれば、来年度は液体錫での確認実験を予定している。液体錫での実験とシミュレーションの比較では、シミュレーションによる発電量と実験での発電量の比較を行い、発電量の定量的な評価が確認できればシミュレーションによる大規模設備での発電量の予測を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規に製作した基礎実験装置で酸化防止の処置を施した実験を行うことで、基礎実験とシミュレーションの違いを確認する。すでに米国の実験機関で、製作したシミュレーションと核融合分野で実験の比較が行われているので、そちらの結果も検証に使用する。来年度は液体錫での実験を予定している。基礎実験の計算はすでに終了しているので、基礎実験を実施することでシミュレーションのベンチマークを完了する。液体錫の実験では発電装置を取り付けて発電量を観測する。結果をシミュレーションと比較して、シミュレーションと基礎実験での定量性を確認する。発電量の定量的な評価が確認できれば、大規模設備を仮定したシミュレーションを実施して、「楊液体金属発電」によるでの発電量の予測を行い、その結果に基づいた社会実装した場合の予測を行う予定である。
|
Research Products
(6 results)