2019 Fiscal Year Annual Research Report
作物科学研究へのパラダイムシフトを誘起するカキ属植物の研究加速化のための基盤形成
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19H05539
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (10211997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 洋佳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00355489)
山根 久代 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80335306)
赤木 剛士 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (50611919)
西山 総一郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (50827566)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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Keywords | 果樹 / 遺伝子情報 / 機械学習 / 果実形状 / 遺伝子機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,カキ属植物の基礎および応用研究を加速化するために,1)大量シークエンシング技術を活用したゲノム情報と発現遺伝子情報の整備,2)機械計測と機械学習による形質評価法の開発,3)遺伝子機能評価系の開発, 4)遺伝資源の調査と収集,の4種類のサブテーマにより支えられるコモンプラットフォームを整備するものである.本年度の成果は以下の通りである. (ゲノム情報と発現遺伝子情報の整備)二倍体マメガキの全ゲノム情報を解析して論文としてとりまとめて発表した.またPacBioおよび10xGenomics社のGemCode Technologyを利用し六倍体カキのドラフトゲノムを構築をおこなった.加えて,果実などから発現情報を収集した. (機械計測と機械学習による形質評価法の開発)形状記述ソフトウェアSHAPEを利用して,多様なカキ果実形状の評価結果を解析して,論文としてとりまとめて発表した.果実の写真からの三次元構築を行い,カキ果実のサイズと形状の三次元情報を数値化して評価する方法の開発ならびにカキ果実の画像の機械学習,特に深層学習を利用した品質解析法の開発を開始した. (遺伝子機能評価系の開発)カキの近縁二倍体種のマメガキ(D. lotus)やアブラガキ(D. oleifera)のアグロバクテリウム法による形質転換系を開発した.続いて,カキ属におけるCEN相同遺伝子のノックアウトによる,カキ属植物の早期開花系の開発に着手した. (遺伝資源の収集と整備)カキ属植物の遺伝資源の調査と収集の候補としては,これまでほとんど調査の行われてこなかったマメガキとアブラガキを予定しており,中国鄭州の林業科学院で収集しているマメガキとアブラガキの遺伝資源の情報を収集した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年末から拡大の拡がったCOVID19の影響で「遺伝資源の収集と整備」に関しては,研究が順調に進まなかったが,他の研究項目である「ゲノム情報と発現遺伝子情報の整備」,「機械計測と機械学習による形質評価法の開発」,および「遺伝子機能評価系の開発」に関しては,期待以上の成果が得られたので,概ね順調な達成状況であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
まだしばらくの間,COVID19の影響は避けられないものと考えられる.そこで現地に赴いての調査が主となる「遺伝資源の収集と整備」については,規模を縮小し,それによって生じたエフォートを他の研究項目である「ゲノム情報と発現遺伝子情報の整備」,「機械計測と機械学習による形質評価法の開発」,および「遺伝子機能評価系の開発」に回して,研究を推進していく.
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Research Products
(2 results)