2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of life-cycle control and genomic basis of two life cycles in periodical cicadas
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19H05550
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽田 貞滋 京都大学, 理学研究科, 教授 (00192625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲史 京都大学, 理学研究科, 助教 (10643257)
藤澤 知親 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 助教 (10792525)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 周期ゼミ / 生活史制御機構 / 幼虫期間 / トランスクリプトーム / 全ゲノム配列 / 遺伝子発現比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)幼虫野外調査 2019年度は、異なる年齢の幼虫における遺伝子発現を比較するためのサンプルを収集することを目的として、米国の共同研究者とともに、2019年10月末から11月上旬にかけて、バージニア州Herndon、ウエストバージニア州Bluestone State Park、オハイオ州Cincinnati、Crooked Run Nature Reserveイリノイ州Chicagoの7箇所において野外調査を行った。ブルードIX, X, XIII, XIV, XXIIの幼虫を採集した。これらの幼虫は、それぞれ16、15、12、11、5年めの幼虫である。各調査地では少なくとも100個体程度の幼虫を採集した。現地で体重計測、眼の色の記録(白眼、赤眼)を行い、RNAlaterで固定した。眼色が白から赤に変化するのは成虫への変態準備が行われている兆候であるが、翌年に羽化する予定のブルードIXではほとんどの個体が赤眼となっていた。また、翌年13年目で、17年の4年前を迎えるブルードXIIIでは、体重が大きい個体の一部に赤眼が見られた。この結果は、生活史制御のモデルからの予測に整合している。採集した幼虫について、形態観察から性、齢を判別した。さらにDNA抽出を行い、種特異的な蛍光ブラーマーを用いたqPCRにより、種を判定した。 (2)全ゲノム配列解読 これまでにNanoporeMinIONで取得したM. septendecimのシーケンスデータについて,アセンブルを試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度において、アメリカ合衆国4州、7箇所で異なる年齢の幼虫を採集することができ、体重分布、眼の色等のデータを得ることができた。これらのデータは生活史制御仮説を検証する上で非常に重要である。また幼虫の遺伝子発現比較のためのRNAlater固定サンプルも十分確保することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度採集の個体の種判別を完了させ、全RNA抽出を行い、mRNAのシーケンスデータを取得して、年齢間、赤眼・白眼間での遺伝子発現比較を行う。 2020年秋に、新たな幼虫サンプルの採集を行う(継続調査)。 13年ゼミと17年ゼミの間でのゲノム配列比較を行うために、これまでに得られているゲノムシーケンスのアセンブルを進める。
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