2022 Fiscal Year Annual Research Report
CAR-T細胞療法の最適化に資するCAR機能チューニングテクノロジーの開発
Project/Area Number |
20K20462
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 直貴 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (90312123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キメラ抗原受容体 / 構造活性相関 / 細胞療法 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CAR-T細胞機能に影響するCAR構造要因の解析を推進し、CAR-T細胞医薬の有効性・安全性向上につながるCAR設計理論の構築に取り組んできた。本年度は、CAR構造の中でもヒンジ領域 (HD) に着目し、HDのシステイン残基を介したジスルフィド結合や糖鎖修飾などの翻訳後修飾がCAR-T細胞機能に与える影響の解析を行った。マウスVEGFR2特異的一本鎖抗体にCD28由来あるいはCD8α由来のHD・膜貫通領域 (TMD) とCD3ζ由来シグナル伝達領域をタンデムにつないだ2種類の第一世代CAR (CAR[V/28/28/3z]およびCAR[V/8a/8a/3z]) を基本構造体とし、HDに含まれるシステインをアラニンに置換した改変体とN結合型糖鎖修飾部位と予想されるアスパラギンをアスパラギン酸に置換した改変体を構築した。これらのCARの分子間ジスルフィド結合の欠如は、T細胞膜上でのCAR発現レベルには影響しなかったものの、抗原特異的なサイトカイン産生能および細胞傷害活性を低下させた。また、CAR[V/28/28/3z]およびCAR[V/8a/8a/3z]はともにN結合型糖鎖修飾部位が1か所存在し、さらにCAR[V/8a/8a/3z]は修飾部位が未同定ながらO結合型糖鎖修飾を大きく受けていることが判明した。CAR[V/28/28/3z]のN結合型糖鎖修飾は細胞膜上でのCAR発現の安定化に寄与することが示唆された。一方、CAR[V/8a/8a/3z]のN結合型糖鎖修飾はCAR発現およびCAR-T細胞機能に明らかな影響を及ぼさなかった。本研究の結果は、CARのHD内翻訳後修飾がCAR-T細胞機能の制御に重要な役割を果たすことを示しており、今後のCAR設計において貴重な基礎情報を提供するものと考える。
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Research Products
(2 results)