2022 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨破壊性疾患の分子標的治療薬の創薬基盤構築を目指す骨免疫学の新機軸の創出
Project/Area Number |
20K20475
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 理行 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60294112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 智彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50510723)
高畑 佳史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60635845)
波多 賢二 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80444496)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 関節軟骨 / 炎症性サイトカイン / 細胞内シグナル / 転写因子 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
未曾有の超高齢社会を迎え、歯周疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、悪性腫瘍の骨転移などの骨および軟骨組織の破壊性疾患が増加しており、臨床的にも医療経済的にも大きな問題として顕在化している。本研究では、「免疫細胞が直接的に骨芽細胞および軟骨細胞に作用し、その組織破壊を誘導する」という仮説を提唱し、神経軸索誘導因子であるセマフォリン4Dが、可溶型分子として切断され、炎症性サイトカインとして機能することを明らかにしてきた。令和4年度は、セマフォリン4Dが関節軟骨細胞の受容体複合体であるPlexinB2とc-Metに結合し、Traf2―NF-κB経路およびras―MEK―Erk1/2経路を活性化し、軟骨組織を破壊するMmp3、Mmp13、Adamts4およびAdmats5の発現を顕著に誘導することを見出した。さらに、これらの細胞内シグナルを受けて、転写因子IκBζおよびC/EBPδの活性化が必要であることを見出した。すなわち、セマフォリン4Dが新たな非古典的シグナル伝達経路を介して、転写制御を行うことを見出し、ノックアウトマウスおよびその細胞を用いて、実証した。さらにCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いて作製した、Mmp3ノックインマウスを用いたハイスループットスクリーニングシステ厶を完成させた。このシステムにより、細胞株より生理学的あるいは病理学的に適切な初代関節軟骨細胞を用いて、内在性のMmp3の発現上昇を抑制する低分子化合物を探索できることも確認できた。またSARS-CoV-2ウイルスのワクチンで開発されたmRNAベクターを改良して、関節内に目的分子を導入できるシステムを完成した。
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Research Products
(14 results)