2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K20485
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 主任研究員 (90359175)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レーザー分光 / 放射性炭素 / 同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
極微量の放射性炭素(14C)濃度の計測は様々な分野で発展し、考古学、人類学、歴史学、地質学における年代決定に威力を発揮することはよく知られている。近年では、生態系の解析、海洋生物の動態やアルツハイマー病の研究にまで応用され、研究の裾野は益々広がりを見せている。しかし現代の天然物中に14Cは、安定な炭素(12C)に比べわずか1兆分の1しか含まれていない。 前年度までに構築した量子カスケードレーザーを用いて、このppt(1兆分の1、Parts-Per-Trillion)レベルの放射性炭素14Cを検出するために必要な、光通信における波長選択デバイスであるファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)を検討した。FBGとは、光ファイバに紫外レーザー光を照射し、光ファイバ中のコアに屈折率変調(回折格子)を形成したものある。これは本課題の高感度分光計測に必要な高反射ミラーと同じ動作が可能であり、光ファイバが高感度分光計測のコアデバイスとして機能するはずである。本課題では、まずレーザー分光によるCO2安定同位体比の実績がある4.3マイクロメートル帯のFBGを試作して高反射ミラーとしての有効性を検証した。 今年度は「広帯域半導体レーザー→FBG→コリメータ→大気→コリメータ→FBG→検出器」の光学設定で実験を実施した。その結果、高反射率のFBGの能力を確認し、中赤外域におけるFBGの有効性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)の試験を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果を踏まえて、放射性炭素同位体14Cの最大吸収域である4.5マイクロメートル帯のファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)を製作し、14Cの初検出を目指す。
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Causes of Carryover |
当該年度では、フィージビリティスタディとしてのCO2安定同位体の分光計測実績がある4.3マイクロメートル帯のファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)の製作までが終了したが、放射性炭素の最大吸収域である4.5マイクロメートル帯のファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)の製作を翌年度に実施することにした。翌年度は4.5マイクロメートル帯のファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)の製作を迅速に実施して、最終目的である放射性炭素の初検出を進める。
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[Presentation] Calibrating the Carbonate Clumped Isotope Thermometer from 7 to 70 C by Automated Laser Spectroscopy2020
Author(s)
Nitzan, Y., Wang, Z., Dettman, D.L., Quade, J., Huntington, K.W., Schauer, A.J., Nelson, D., McManus, J.B., Sakai, S
Organizer
AGU Fall Meeting 2020
Int'l Joint Research