2021 Fiscal Year Annual Research Report
非生物・生物ハイブリッド人工光合成システムの構築:持続可能な酢酸生成拠点の創出
Project/Area Number |
20K20486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 聡 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10253816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 精一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60241353)
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオ光電気化学太陽電池(Bio-PEC) / 光水分解 / 複合金属ナノ酸化物半導体 / ZnO/CuO / 酢酸生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、太陽光エネルギーと水および不要な二酸化炭素(CO2)から有用な物質(化学エネルギー)を人工的に作りだす「非生物・生物ハイブリッド人工光合成」システムを構築することである。具体的には、CO2と水を原料とし太陽光エネルギー(可視光)と廃水をエネルギー源として、常温常圧、中性条件下で酢酸(2炭素化合物)を生産可能なバイオ‐光電気化学太陽電池(Bio-PEC)ハイブリッドシステムを構築する。これまでに、ガルバニック水中光合成法により、p-n接合を有し可視光で水を光分解する、CuOナノワイヤ表面にZnOナノロッドを付加した3次元ナノ構造を持つZnO/CuO複合体を構築することに成功した。紫外線照射時間と前処理 (ZnOスパッタリング) の有無を検討した結果、紫外線照射48時間・前処理なしの条件で生成したZnO/CuO複合体は、最大の比表面積を持つため最も高い光電流密度-1.8 mA/cm2 (-0.45 V vs. Ag/AgCl) と光電気化学水素生成速度2.26 μmol/cm2/minを77.5%のファラデー効率で達成した。この光電流密度はZnO/CuO複合体として最高値であり、類似の三次元ナノ構造を有するZnO/CuOの約3倍であった。ZnO/CuO複合体のBio-PEC反応槽への応用を見据えて、微生物との親和性を調べた.ZnO/CuO複合体は光照射の有無に寄らず、Cu2+を溶出し大腸菌の増殖を阻害したが,電圧-0.6 V vs. Ag/AgClの印加を行うことにより防止出来た。また、電極/電解液界面の電子移動抵抗はグラファイトフェルトの約33倍大きく、微生物の直接電子伝達には不利であことが明らかとなった。以上の結果は、ZnO/CuO複合体のBio-PECへの適用可能性について検討する上で重要な知見である。
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Research Products
(4 results)