2022 Fiscal Year Research-status Report
Callenges for neonatal robotic surgery
Project/Area Number |
20K20489
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 香奈子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80409672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光石 衛 帝京大学, 先端総合研究機構, 教授 (90183110)
MarquesMarinho Murilo 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70837468)
荒田 純平 九州大学, 工学研究院, 教授 (40377586)
藤代 準 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60528438)
石丸 哲也 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 外科, 医長 (00633629)
出家 亨一 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 外科, 医長 (00845109)
高澤 慎也 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40421094)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 手術ロボット / 自動化 / 小児外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,現在開発中の汎用手術ロボット「スマートアーム」をベースとして,新生児用手術ロボットの開発に挑戦する.本年度は,昨年度までに開発したロボットツールの自動衝突回避やツール先端位置の自動誘導などを発展させる形でツール先端動作の自動化に取り組んだ. 新生児を対象とした手術では,体内の作業空間が極めて狭小であり,また,内視鏡の視野も極めて狭いため,術具の挿入点での拘束に加えて,視野外での術具の動作も考慮した術具同士,あるいは術具と周辺の生体組織との衝突を自動で回避する必要がある.また,狭小作業空間内で多自由度の術具を操作することは困難であり,上記の安全性を担保したうえでの動作の自動化が必要となる. 昨年度までは,手術ロボットを医師が遠隔操作する前提で研究を進めており,遠隔操作に加えたアシストとしての自動衝突回避やツール先端位置の自動誘導を開発し,その成果を発表した.今年度は,新生児食道縫合タスクにおけるルーピングタスクを対象として,術者が介入せずにルーピングを自動化する手法の開発を行った.本研究では,先端が板バネを用いた機構によって2自由度に屈曲するロボットツールを使用しており,まずはその機構をモデル化してシミュレータに組み込んだ.次に,先端の屈曲を考慮したうえで,前年度までに開発した安全性を担保するための自動制御を行いながら自動でルーピングを行う手法を開発した.また,新生児の胸腔モデルをシミュレータ内に組み込み,狭小のモデル内でのルーピングタスクを自動化した.予備実験の結果,遠隔操作でタスクを行う場合と比較して,自動化の方が操作者の負担が小さく,また,短時間で成功率の高いルーピングを実現できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は実際の実機のロボットを用いた実験を予定していたが,想定より時間がかかっている.そのため,本年度はシミュレータにロボットを組み込んで制御方法の開発を進めた.
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Strategy for Future Research Activity |
手術ロボットの自動化は世界的なトレンドであり,安全性と効率性,正確性の向上に貢献すると期待されている.これまでは,遠隔操作に自動制御によるアシストを加える形の研究を行ってきたが,より安全かつ正確に行うことができるタスクについては,自律度をさらに高めるための研究を進める. 新生児の胸腔鏡下手術は,手術ロボットが対象としている手術の中でも技術的に最もチャレンジングな対象の一つである.新生児ロボット手術に適用可能な制御手法として研究しつつ,手術ロボットの他の対象への応用も実証していく.
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Causes of Carryover |
引き続きコロナ禍の影響があり,対面での国際学会が限定されている,あるいは,航空費や宿泊費の高騰により当初予算では参加できない状況が続いており,次年度使用額が生じている.
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Research Products
(1 results)