2023 Fiscal Year Research-status Report
社会転換期における地域アーカイブズ全国調査の検証と新たな方法の開拓
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20K20503
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
渡辺 浩一 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (00201179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籠橋 俊光 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00312520)
東 昇 京都府立大学, 文学部, 教授 (00416562)
山田 浩世 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 准教授 (00626046)
宮間 純一 中央大学, 文学部, 教授 (10781867)
神谷 智 愛知大学, 文学部, 教授 (20283377)
谷本 晃久 北海道大学, 文学研究院, 教授 (20306525)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 教授 (20423494)
塚原 伸治 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (30735569)
望月 良親 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30814040)
作野 広和 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50284146)
原 直史 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70270931)
板垣 貴志 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (80588385)
西村 慎太郎 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (90383546)
梶嶋 政司 九州大学, 附属図書館, 助教 (80403939)
中野 賢治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (10746332)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | 近世庶民史料調査委員会 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究成果のとりまとめを強く意識しつつ、各分担者はそれぞれの担当地域の調査を進めた。総括班では、長野県小県郡に関する調査が大きく進展した。特に、近世庶民史料調査に従事した方がまだご存命であり、聞き取り調査ができる可能性が出てきたことは重要である。これらの活動により、近世庶民史料調査はそれぞれの地域の実情に応じて多様な類型が存在することが次第に明らかになってきた。ほとんど委員一個人が請け負っている県がある一方、長野県小県郡・諏訪郡のように、すでに行われていた地域史料調査を基盤に、郡教育会という組織のもと多人数の学校教員によって、現在でいう悉皆調査に近い調査が行われた郡もあった。また、当時併行して行われていた全国的な史料調査との相互関係にも注意が促された。 研究会は2度開催した。8月24日には、板垣貴志「島根県内における史料所在調査の経緯」 、神谷智「名古屋大学経済学部所蔵『近世庶民史料調査研究 中部之部』について」のに報告が行われた。 2024年3月21日には、籠橋俊光「東北地方における近世庶民史料調査」、原直史「新潟県内の庶民史料調査と農政調査会」、中野賢治「山梨県下の近世庶民資料調査と山梨県立博物館所蔵資料」、伊藤昭弘「佐賀・長崎・熊本・大分県における近世庶民史料調査」、菅原一「長野県小県地域における近世庶民史料所在調査」の五報告が行われた。 また、長野市立博物館での水損史料保全活動、東北大学災害科学国際研究センターでの文書整理を引き続き行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年5月8日に新型コロナウィルス感染症が5類に移行され、史料保存機関などでの調査の制約はなくなった。しかし、その後も夏と冬に流行したため初対面の調査ははばかられる場面もあった。それでも各分担者は調査を進めている。まる二年ほど対面の調査ができなかったため、この科研の主眼を1950年前後に行われた近世庶民史料調査の検証に置くことに変更せざるをえなかった。しかし、絞り込んだ目標に関しては新たな知見を多く得ることができた。その成果を取りまとめるため、研究期間を1年延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、補足的調査以外は、研究成果のとりまとめに集中する。各分担者はそれぞれの担当地域もしくは役割分担に応じて、A4版で数ページ分の原稿を執筆し、それを総括班が編集する。これにより、近世庶民史料調査の実態が明らかになり、そこから未来への教訓を引き出すことができるだろう。この内容は、『「社会転換期における地域アーカイブズ全国調査の検証と新たな方法の開拓」研究成果報告書』と題した図書(PDF版)に盛り込む。それを国文学研究資料館の情報リポジトリで公開する。
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Causes of Carryover |
初年度の冬から新型コロナウィルス感染症が流行したため、史料調査を行うことができない期間が3年にわたり継続した。都道府県内、あるいは代表者・分担者が所属する組織内での調査から判明することも多々あり、流行の谷間に若干の調査を行うことができたものの、それには大きな限界があった。以上の経緯から、研究の進行が遅く、2023年5月の感染症法5類以降後に本格的な調査を開始することができた。しかし、短期間では十分ではなく、調査研究のとりまとめの期間も必要である。このため、研究期間を1年間延長し、補充の調査と研究の総括を行う予定である。具体的な成果としては、PDF版の報告書を編集し、国文学研究資料館情報リポジトリから公開することを考えている。
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