2020 Fiscal Year Research-status Report
Transdiscipline research on climate change adaptation in Papua New Guinea.
Project/Area Number |
20K20506
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 淳 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (00779754)
豊田 由貴夫 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (20197974)
武藤 文人 東海大学, 海洋学部, 教授 (50392915)
中村 雅子 東海大学, 海洋学部, 准教授 (50580156)
新本 万里子 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (60634219)
小松 大祐 東海大学, 海洋学部, 准教授 (70422011)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 名誉教授 (80153344)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | パプアニューギニア / 気候変動 / 文理融合研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度となる今年度は、コロナ禍の影響により、計画していたパプアニューギニアでの調査を実施することができなかった。そこで 1.ネットによるリモート研究会を実施し、各自の研究分野から本研究へのアプローチの方法と内容について意見・情報交換をおこなった。専らパプアニューギニアを主たる研究としてきたメンバー4名からは、当該地域の概要と特性について長期間にわたるフィールドワークの成果を発表した。一方、理系分野のメンバーからは、本研究での各分野における可能性について示された。主として、1.沿岸地域、特にマングローブ地帯では多数の固有種の存在の可能性があり、住民主体のサンプリング方法が検討できること。2.サンゴ礁の生態系変化について、住民との聞き取りを基にして詳細な生態調査が実施できること。3.干ばつなどの災害伝承とエルニーニョのデータ解析を付合わせていくことができること。以上3点が示された。 また国立民族学博物館の科学研究費支援事業「地域研究画像デジタルライブラリ」の公募プロジェクトに採択され、本研究の対象地域における写真900点のデジタルライブラリ化が進められた。このことにより、数十年にわたる継続的調査のプロセスと成果の一部が、本研究地域での調査経験の少ない他のメンバーにも共有できるようになった。 デジタルライブラリの作業を通して、本研究の対象地域であるパプアニューギニアの「周縁」地域(高地周縁部の辺境の村落と都市縁辺部のセトルメントも含む)における民族誌的画像の整理と共に、本研究メンバーにおいて、これまでの同地域での調査過程とその成果をあらためて振り返る貴重な機会となった。調査対象地域の住民にもアクセスが可能となり、本研究を推進していくうえでの、重要な情報基盤が整えられたと認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、コロナ禍の影響により、当該研究地域であるパプアニューギニアでの調査を実施することができなかったため。 ただし研究実績に示したように、フィールド調査に変わり研究会を実施したこと、及びデジタルライブラリにおけるデータ整理がおこなわれたことは、今後のフィールド調査の実施にあたり重要な成果であったいえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる今年度は、厳しい状況ではあるが、年度末にパプアニューギニアへの渡航、現地調査を実施、本来初年度に実施する計画であった現地フィールドでの全体的把握を行う計画である。 また同時に、渡航調査が実現できなかったことも想定し、文献研究、及び過去の調査成果のレビューを中心とした研究会をリモートも含めて実施していく。 初年度実施した「デジタルライブラリ」を基にして、本研究のメンバー間でさらに詳細な民族誌データを突き合わせ、効果的なフィールド調査の計画について再検討をおこなっていく計画である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により計画していたパプアニューギニア研究地域への渡航が不可能であった。したがって、計画していた旅費が次年度使用額となった。
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Research Products
(9 results)