2021 Fiscal Year Research-status Report
個別製品レベルの大規模ミクロ・データに基づく新たな価格モデルの構築
Project/Area Number |
20K20510
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺西 勇生 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50710456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 俊章 成蹊大学, 経済学部, 助教 (10846801)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 価格モデル / 製品レベルの大規模データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず個別製品レベルの大規模ミクロ・データを用いて価格設定についての新たな観察事実を示す。この際、ミクロ・データの特徴を生かし、ある製品・製品間関係の時間変化に着目した時系列方向と、ある時点の製品・製品間の状態・違いに着目した横断面方向の2方向から、製品価格の形成過程の特徴を解明する。その上で、新たな事実に基づき全く新しい価格モデルを構築する。研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。
2021年度では、特に、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、及び(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、について大きな進展があった。この際、こうしたサーチ理論の枠組みに基づいて部分均衡モデルに加えて、一般均衡モデルを構築することができた。また、(1)データ観察を通じた事実の解明、については製品価格レベルの大規模データを購入することで、日本特有の製品価格と製品サイクルの関係を新たな事実として提示することができた。加えて、新たに購入したデータを用いて製品が市場で取り扱い店舗数を増やした後に、店舗数がやがて減少して、最終的に市場から退出するというマッチング・サイクルが存在することを明らかにした。この際、大企業の製品ほど、取り扱い店舗数が大きくなること、初期の取り扱い店舗数についの急速な増加が観察された。
また、研究にあたっては、共同研究者である庄司俊章(研究分担者)、Mei Dong(研究協力者、メルボルン大学准教授)と複数回の打ち合わせをネットを通じて行うことで、プロジェクトの進展を適切に管理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。
2021年度では、特に、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、及び(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、について大きな進展があった。また、(1)データ観察を通じた事実の解明、については製品価格レベルの大規模データを購入することで日本特有の製品価格と製品サイクルの関係を新たな事実として提示することができた。また、新たに購入したデータを用いて製品が市場で取り扱い店舗数を増やした後に、店舗数がやがて減少して、最終的に市場から退出するというマッチング・サイクルが存在することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画として、本研究では(1)データ観察を通じた事実の解明、(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、(4)研究成果の発信、の4つの大きな柱を定めて研究を行っている。(1)データ観察を通じた事実の解明、についてはデータの購入が終了したため、今後更にデータについて詳細な分析を行う予定である。(2)新たな事実に基づいた新しい価格モデルの構築、については、基本部分のモデルの構築が終了したことから、今後データから新たに解明された事実に沿ってモデルの拡張を行う予定である。(3)新しい価格モデルと従来の価格モデルの比較分析、については本研究で構築した新たなモデルをデータを用いて推計することで、従来のモデルとの比較を定量的・定性的に行う予定である。(4)研究成果の発信、については適宜行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ下で海外への渡航ができなかったため、出張費の支出が無かったことから、次年度使用額が生じることとなった。
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