2020 Fiscal Year Research-status Report
Possibility to promote citizens' utilisation of public information through large-scale national online courses
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20K20512
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 雅巳 千葉大学, 教育学部, 教授 (80221670)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 市民社会 / オンライン講座 / ソーシャルキャピタル / ソーシャルメディア / 行政資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、公官庁がオンライン公開する公共資料の市民利用を促進・支援するための教育サービスの在り方について調査・研究している。そして、日本に先駆け、公官庁が大規模オンライン講座を開設しているタイ国立のMOOCsを調査対象として現地の研究者と共同して研究を行っている。公共資料がMOOCs講座により、市民にとってどれほど身近なものとできるかについて、参加者の意見、学習記録、参加者市民間の交流記録を収集し、ビッグデータ分析から科学的に解明することを狙っている。タイ国では、政府のディジタル経済(Thailand Digital Economy)方針を実現するため、公官庁の積極的な情報化と、情報技術を活用した市民サービス、情報公開、教育講座の提供が行われている。本年度はコロナ禍のため、当初予定していた現地での踏査・調査、質問紙調査が実施できなかった。しかし、本研究では現地共同研究者と連携し、大規模オンライン講座に展開する6講座に焦点を当てオンラインで調査活動を開始することができた。 一方、現地共同研究者とGovTechに代表される「公官庁のオンライン市民サービス」とCivicTechに代表される「市民活動による社会機能の発展」の連携とあり方に関する共同研究を実施した。その結果、幅広い市民の参画を図るためのオンラインサービスの在り方や、協同活動を広げるための組織構成、ソーシャルキャピタルの展開戦略についてまとめることができた。また、オンラインでの協同学習に特徴的な交流について、ソーシャルメディア交流理論の指標を用いて分析・解明し、ソーシャルキャピタルの展開で学習者に必要となる能力についての提案をまとめることができた。その成果は、2件の国際学術雑誌への報告の掲載と1件の国際会議での報告により公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、当初予定していた現地での踏査・調査、質問紙調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
「1. 環境と利用のギャップ」,「2.参加理由・過程・困難」について取り組む予定であるが、現地での踏査・聞き取り調査が必須であるので、同時に市民生活と公共資料との関係についての調査を行うとともに、オンラインアンケート等を活用して「ニーズと利用課題」の関係についての分析も行う予定である。さらには、講座学習で必要となる能力(competencies)についても、研究を行う。 なお、中間成果を国際会議,国際学術雑誌で公開する予定である。
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Causes of Carryover |
海外出張がコロナ禍のために実現できなかったためにその費用が使われていない。渡航可能になった時点で、渡航、現地調査、研究活動を実施する予定である。
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