2022 Fiscal Year Annual Research Report
深層学習を用いたテレビの内容分析の革新:政治家の顔検出とトラッキング
Project/Area Number |
20K20513
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 哲郎 神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60455194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 勇佑 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (80780676)
佐藤 真一 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (90249938)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / テレビの内容分析 / 顔検出 / 顔トラッキング / 政治コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、顔検出・トラッキングシステムの改善と成果発表を行った。まず、開発したシステムはNHKのニュース動画を用いているため、日本人の顔にオーバーフィットしている可能性があった。この点について、スタンフォード大学を中心に行われた先行研究の著者らの協力を仰ぎ、アメリカのCNN, FOX News, MSNBCのニュース動画を入手し、システムのパフォーマンスを確認した。その結果、本プロジェクトで開発したシステムは先行研究のパフォーマンスを上回ることが示され、日本人以外の顔検出・トラッキングにも十分に用いることが可能であることが示された。成果発表はまず、2022年5月にメディア・コミュニケーション分野のトップカンファレンスであるInternational Communication Associationにて発表した。次に、2022年7月にThe 25th Meeting on Image Recognition and Understandingで発表し、最後に2023年1月にAsian Political Methodology Workshopにて発表を行った。開発したシステムを公開した上で、政治学方法論のトップジャーナルであるPolitical Analysis誌に投稿、現在修正稿が再査読中である。 本研究は、深層学習に基づいたコンピュータビジョンの技術をテレビの内容分析に応用し、新しい形で社会科学的な問いに答えることを目標として実施された。プロジェクトは社会科学とコンピュータ科学の研究者の学際的協働によって遂行され、高いパフォーマンスを示す顔検出・トラッキングシステムを構築することに成功した。日本のニュース動画に応用した分析では、第二次安倍政権以降は与党党首の登場時間と野党党首の登場時間の割合が変化し、与党党首の割合が増加傾向にあることなどを示した。
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Research Products
(9 results)