2022 Fiscal Year Annual Research Report
高性能計算統計による物性実験データからの情報抽出と計測デザイン
Project/Area Number |
20K20522
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 義典 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (00767296)
吉見 一慶 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (10586910)
横谷 尚睦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90311646)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 計算統計 / 圧縮センシング / スパースモデリング / コンプトン散乱 / フェルミ面 / フェルミオロジー / データ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、物性実験から物理情報を抽出するため、高性能計算統計の方法論に基づく新しい解析手法を確立すること、また、その解析結果を実験にフィードバックさせた高効率な実験計画法を提案することである。この目的の達成に向けて、本年度は以下の研究を実施した。 (1) 物質にX線を照射した際に起こるコンプトン散乱のデータは、物質中の電子の運動量分布の情報を持っている。このデータは運動量分布を散乱軸に射影したものに対応するため、運動量分布そのものを得るには、コンピュータ画像診断法(CT)と同様の再構成が必要となる。しかし、この再構成には2つの難しさがある。(i)通常のCT法では、1次元データから2次元の密度分布を再現するが、コンプトン散乱では、1次元データから3次元の密度分布を再現しなければならない。(ii) CT法では、射影する角度を連続的に変化させてデータを取得できるが、コンプトン散乱では、実験時間の制限により、10本程度の散乱軸でしかデータを取得できない。このように、極めて厳しい条件であるため、通常の方法では精度よく3次元の運動量分布を再構成することは困難である。我々は、圧縮センシングを応用して、データを有効活用することで、少ないデータからでも比較的精度よく運動量分布を再構成する方法を考案した。この方法を、第一原理計算により得られたリチウム金属のコンプトン散乱データに適用して検証した。それにより、これまでの方法よりも精度よく運動量分布を再構成できることを示した。この成果を論文にまとめて投稿した。 (2) 我々が考案したコンプトン散乱データの解析法を、実際の実験データを用いて検証するために、実験研究者と協力して議論および解析を開始した。
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[Journal Article] Anomalously large spin-dependent electron correlation in the nearly half-metallic ferromagnet CoS22022
Author(s)
H. Fujiwara, K. Terashima, J. Otsuki, N. Takemori, H. O. Jeschke, T. Wakita, Y. Yano, W. Hosoda, N. Kataoka, A. Teruya, M. Kakihana, M. Hedo, T. Nakama, Y. Onuki, K. Yaji, A. Harasawa, K. Kuroda, S. Shin, K. Horiba, H. Kumigashira, Y. Muraoka, T. Yokoya
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 106
Pages: 085114-1~13
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] ハーフメタルLa0.7Sr0.3MnO3の高分解能スピン分解光電子分光2023
Author(s)
横谷尚睦, 片岡範行, 脇田高徳, 藤原弘和, 福島優斗, 川口海周, 田中宏明, 森亮, 原沢あゆみ, 近藤猛, 組頭広志, 村岡祐治
Organizer
日本物理学会 2023年春季大会
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