2020 Fiscal Year Research-status Report
Active phase-control spin wave logic computation elements with nonlinear phase shift
Project/Area Number |
20K20535
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (90159997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 太一 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00721507)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | スピン波 / 非線形 / ロジック / マグノニック結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スピン波の流れ制御に磁気的端面のない2次元人工磁気格子を用い、スピン波の非線形位相シフトでロジック演算を行う素子を新規に実現すると共に、非線形位相シフト量増大のために媒体構造をナノスケール化した非線形スピン波ロジック演算素子の性質の解明と、集積化に向けた要素技術の確立を目指すものである。 我々は、スピン波の振幅制御で位相制御(非線形位相シフト)ができることに着目し、この機能を用いた非線形スピン波ロジック素子を着想した。 1)新型コロナウイルスのまん延により学外や国外への移動が制限される環境下においても、デバイス開発が進められる環境の整備を行なった。 2)スピン波デバイスで使用する一次元バンドギャップ構造についてまとめ論文投稿をした。 3)スピン波非線形位相シフトに関して研究を専攻させているロシアの電気技術大学のUstinov教授との共同研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形位相シフトに基づくスピン波ロジック基本演算の実現を目指している。本年度は、これに用いる厚さ10マイクロメートル程度のイットリウム鉄ガーネット膜を準備し、リソグラフィーとマイクロブラストを用いてマイクロメートルスケールの精度の加工を行なった。非線形位相シフトを用いたスピン波ロジック素子の開発に必要なスピン波導波路動作を確認した。今後、ロジック素子との融合を予定しているマグノニック結晶の構造に関してまとめ、論文発表を行なった。スピン波非線形素子に関して世界的に研究を牽引しているサンクトペテルブルグのUstinov教授との共同研究を開始し、非線形素子を用いたロジック素子設計を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロメートルスケールのイットリウム鉄ガーネット膜を加工し、スピン波導波路を作製する。これと並行して、二次元人工磁気格子を用いた導波路設計を行なう。非線形位相シフト現象を、これらの導波路構造を用いて確認するために、大規模マイクロマグネティックスシミュレーションを用いて、非線形効果が確認できる条件を明らかにした上で、デバイス作製を進める。膜等を微細化しサブミクロンスケールの厚さをもつイットリウム鉄ガーネット膜を用いたデバイス作製に必要な装置やリソグラフィー条件等を整える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、当初予定していた所属期間外の装置利用・議論・視察ができなくなったため、これ以外の項目を進めるという予定を変更したため。
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