2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of flood monitoring system using microwave radar with data driven signal processing
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20K20543
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 研究教授 (00399354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30295472)
早坂 圭司 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40377966)
大竹 雄 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90598822)
岡田 将治 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (80346519)
萬矢 敦啓 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 主任研究員 (00314740)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロ波 / 河川 / デジタルツイン |
Outline of Annual Research Achievements |
一般にマイクロ波は、陸地や構造物などの固体での反射強度は強く、河川水などの流体などでは吸収されてその反射強度は微弱となる。本研究では、Xバンドレーダーを用いて河川に向けてマイクロ波を発射し、マイクロ波の発射位置から2km程度の位置の河川の水面からもマイクロ波が反射されることを明らかにした。また、得られたマイクロ波の反射強度の空間分布の数理的な処理により、数mの極めて細密な間隔で左右岸のそれぞれの水位を数秒ごとに測定できることを実証した。現在の洪水時の危機管理は、数kmごとに配置された水位計とCCTVカメラを用いて行われているが、洪水時の河川の挙動をこれらの機材により空間的に連続して把握することはできず、特に夜間はカメラの有効範囲が大幅に限定される。一方で、本研究は、洪水時の危機管理にマイクロ波を用いれば、昼夜を問わずに空間的に連続した把握が可能となることを示した。
河川の水面から得られるマイクロ波の反射強度画像を時間方向に観察すると水表面の流れを捉えたものと考えられる画像が認められる。水表面の流れに対応した紋様はその地点における流速と相関が高いことに着目し、その検証を行った。具体的には、UAVにより水表面の紋様の動画を撮影し、その動画の画像解析から水表面の流速の推定を行った。同様に、マイクロ波の反射強度の動画についても同様の画像解析を行った。両者の画像解析から得られた水表面の流速を比較したところ良好に一致することを明らかにした。
上記の通り、水位と流速のそれぞれを高い空間分解能かつ数秒ほどの高い空間分解能で測定できることを実証した。河川に照射したマイクロ波の反射強度の空間分布に基づき実河川のデジタルツインの構築が可能となりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
河川にマイクロ波を照射することにより、河川の水位と流速のそれぞれを高い空間分解能かつ数秒ほどの高い空間分解能で測定できることを実証できた。マイクロ波の反射強度の空間分布に基づき実河川のデジタルツインの構築が可能となりつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実河川の挙動について人間が視認するほどの空間分解能で高頻度に測定する手法は未確立である。このことが大きな要因となり、洪水時の河川の挙動は不明なことが多い。本研究では、河川にマイクロ波を照射することにより、水位と流速のそれぞれを高い空間分解能で測定できることを実証した。2022年度は、マイクロ波の反射強度の空間分布に基づき、洪水時の左右岸での水位の違いや河床変動をどの程度把握できるかの検証を進める。また、マイクロ波の反射強度の空間分布にはノイズの混入や遠方での空間分解能の低下が避けられず、信号処理理論に基づきこの問題の緩和に挑戦する。
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