2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of apoptosis of cells on nanostructured substrates utilizing all-atomic analyses of integrin signal
Project/Area Number |
20K20545
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬渕 守 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 昌高 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30462849)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 分子動力学 / ナノポーラス / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分子動力学 (MD) 計算と遺伝子解析を連携した新たな研究システムを構築し、金属基板表面のナノ構造がそこに接着する細胞の分化や増殖、アポトーシス(自発死)を制御する遺伝子に影響を及ぼすまでの、シグナル伝達経路の全貌を明らかにすることである。初年度は以下の項目について、主に研究環境の整備・拡充に努め、実験および計算を開始した。 実験:ナノメートルオーダの孔径・リガメント径の多孔質構造を有するナノポーラス金 (NPG) を培養基板として接着性ヒト細胞を培養し、接着率・接着斑面積を計測した。ナノポーラス構造を有しない平滑金 (FG) あるいは市販の培養用プラスチックディッシュに比べて接着率は低下することは従前の研究で明らかであったが、NPGの孔径(≒リガメント径)に対する依存性をより詳細に明らかにするとともに、シグナル伝達解析のためのウエスタンブロッティング法の測定方法を確立しつつある。 計算:インテグリンの分子構造を特定するためのMD計算について合理的に加速化する改良を加え、分子構造の関数としての自由エネルギー地形を広範に探索する手法を、機械学習も交えて整えつつある。加えて、細胞接着の時に重要となるインテグリンのクラスタリングについても、モンテカルロシミュレーションを用いて、(ナノポーラス構造を有しない)平滑表面上での場合について合理的に計算することができ、例えば基板の剛性を上げると平衡時のクラスター化率が上昇した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の予定通り進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度で構築した実験・計算環境を利用し、引き続き研究を進める。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍であったことから出張を大幅に削減したほか、学内の共用設備の有効利用により支出を削減することができた。次年度以降は系統的な実験・分析量が大幅に増えるため、本年度以降の消耗品費等に充てる。
|