2021 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of apoptosis of cells on nanostructured substrates utilizing all-atomic analyses of integrin signal
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20K20545
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬渕 守 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (00358061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 昌高 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30462849)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ナノポーラス / 培養基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分子動力学 (MD) 計算と遺伝子解析を連携した新たな研究システムを構築し、金属基板表面のナノ構造がそこに接着する細胞の分化や増殖、アポトーシス(自発死)を制御する遺伝子に影響を及ぼすまでの、シグナル伝達経路の全貌を明らかにすることである。2021年度は以下の項目について、実験および計算を行った。 実験:ナノメートルオーダの孔径・リガメント径の多孔質構造を有するナノポーラス金 (NPG) を培養基板として接着性ヒト細胞を培養し、接着率・接着斑面積を計測した。ナノポーラス構造を有しない平滑金 (FG) に比べNPGは接着率・接着斑面積をともに低下させること、また孔径(≒リガメント径)が小さいほど接着率・接着斑面積が低下することを明らかにした。さらに、ウエスタンブロッティング法により各培養基板上で培養した細胞におけるFAK(Focal Adhesion Kinase, 細胞分化・増殖・アポトーシスに関わる)の発現量を評価した結果、NPGではFGに比べ自己リン酸化されたFAKの発現量が低く、特に孔径が小さくなるほど発現量が低くなった。さらに、ヒト間葉系幹細胞をFGおよびNPG基板上で培養した場合に、骨芽細胞/脂肪細胞のいずれに分化するのかについても調査を始めた。 計算:細胞接着の時に重要となり、上記FAKとも密接にかかわるインテグリンのクラスタリングについて、モンテカルロシミュレーションを用いて、NPG基板表面上を模したモデルを作成し、計算を進めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の予定通り進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験・計算結果を確立・駆使し、引き続き研究を進める。
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Causes of Carryover |
消耗品の利用量が予測より少なかったためである。少額であり、次年度分と合わせて有効に利用する。
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