2022 Fiscal Year Research-status Report
酸化還元応答性ポリマーとマイクロ電極アレイの複合化によるスマートサーフェスの創成
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20K20563
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80256495)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | ポリマーブラシ / 機能性高分子 / 材料表面 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室でこれまで開発してきた自励振動高分子システムは、合成時に決められた動きを繰り返すという点で心筋のような器官の模倣であるが、様々な器官が脳の電気信号によって能動的に制御されている個体としての生物の模倣には隔たりがある。自励振動高分子システムに能動的に自律的運動を制御するプロセスを取り込むことができれば、より個体としての生物に近いスマートアクチュエーターを創製することが可能である。自励振動高分子の自律的運動はBZ反応によるルテニウム錯体の酸化還元で駆動されているため、電極によって制御することが可能であると考えられる。そこで本研究では、indium-tin-oxide(ITO)電極表面上に自励振動ポリマーブラシを修飾し、電極反応による自励振動ポリマーブラシの酸化状態の制御を試みた。また、酸化還元による表面物性の変化を測定することで、ポリマーブラシの相転移挙動を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自励振動高分子システムに能動的制御プロセスを導入することを目的に、自励振動ポリマーブラシを修飾したITO電極を合成し、この電極に対して電気化学ポテンシャルを印加することでポリマーブラシ全体の可逆的な酸化還元が可能であることを示すことができた。また、QCM測定によってポリマーブラシの酸化還元に伴う質量変化を観測した。この質量変化はポリマーブラシの水和・脱水和によるものと示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
自励振動ポリマーブラシに対し種々の表面物性測定を適用することで,ポリマーブラシの動的挙動のさらなる速度論的な評価を行う。
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Causes of Carryover |
目的をより精緻に達成するために、追加(再現)実験の実施や学会参加、論文投稿などを行う必要が生じた。
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Research Products
(1 results)