2020 Fiscal Year Research-status Report

Rabファミリー低分子量G蛋白質の遺伝子改変による越境性動物疾病抵抗性動物の開発

Research Project

Project/Area Number	20K20577
Research Institution	Kyushu University
Principal Investigator	小野悦郎九州大学, 医学研究院, 教授 (00160903)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	大竹正剛静岡県畜産技術研究所, 中小家畜研究センター養豚・養鶏, 上席研究員 (90605677)
Project Period (FY)	2020-07-30 – 2023-03-31
Keywords	越境性動物疾病 / 抗病性動物 / 遺伝子改変動物 / Rabファミリー低分子量G蛋白質 / エンドサイトーシス
Outline of Annual Research Achievements	1.Rabファミリー低分子量G蛋白質 Rab5の34番目のセリン(S)をアスパラギン(N)に、Rab7の22番目のスレオニン(T)をアスパラギン(N)にそれぞれ置換したcDNAの人工合成を外部に委託し作製し、このcDNAをCAGプロモーター下で駆動させるプラスミドに挿入し、Rab5_S34N及びRab7_T22N発現プラスミドを構築した。更に、Rab5_S34N及びRab7_T22Nの両方を発現するプラスミドも構築した。 2.1で構築したRab5_S34N及びRab7_T22N発現プラスミドをブタ腎細胞由来のCPK細胞株及びマイクロミニピッグ（MMP）の胎仔線維芽細胞にtransfectionし、Rab5_S34N及びRab7_T22Nを恒常的に発現する細胞株を樹立した。Rab5_S34N及びRab7_T22Nの発現はウエスタンブロッティングで確認した。 3.1で構築したプラスミドから調製したtransgeneをC57BL/6の受精卵前核にマイクロインジェクションし、Rab5_S34N及びRab7_T22N発現トランスジェニック（Tg）マウス（Rab5_S34N-Tgマウス及びRab7_T22NーTgマウス）の作製を試み、現在までにRab5_S34N-Tgマウスが4匹得られた。 4.Rab5_S34N及びRab7_T22N発現TgMMPを作製するため、3と同様に、1で構築したプラスミドから調製したtransgeneをMMPの受精卵前核にマイクロインジェクションし、仮親ブタに受精卵を移植した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 令和2年度は、当初、細胞株の樹立と感染抵抗性の検討及びトランスジェニック動物の作製を予定していたが、Rab7_T22N-Tgマウス及びトランスジェニックMMPの作製が完了しなかったため、やや遅れているを選択した。また、細胞株の感染抵抗性の検討も着手した段階であるため。
Strategy for Future Research Activity	1.細胞株の樹立においては、Rab5_S34N及びRab7_T22Nの両方を発現する細胞株の樹立とこれまでに樹立した細胞株も含め、それらの感染抵抗性について検討する。 2.令和2年度に引き続き、Rab5_S34N-Tgマウスの系統化及びRab7_T22N-Tgマウスの作製と系統化を継続する。また、トランスジェニックMMPの作製も継続する。 3.ゲノム編集技術によるマウスRab5及びRab7へのdominant negative mutationの導入においては、Cas9蛋白質、sgRNA及びRab5の34番目のSをNに、Rab7の22番目のTをNにそれぞれ置換するようにした合成1本鎖DNAをC57BL/6の受精卵前核にマイクロインジェクションし、仮親マウスに受精卵を移植して、Rab5_S34N及びRab7_T22N保有ゲノム編集マウス（Rab5_S34Nマウス及びRab7_T22Nマウス）を作製する。 4. マウスと同様に、ゲノム編集技術によるMMP Rab5及びRab7へのdominant negative mutationの導入を行う。
Causes of Carryover	トランスジェニックマウスの作製開始が遅れたこと並びにRab7に関するトランスジェニックマウスが得られなかったために、それに要するマウス購入費、マウス飼育管理料、遺伝子診断に使用する試薬類の予算が次年度使用額として生じた。 Rab7_T22N-Tgマウスの作製のためのマウス購入費、マウス飼育管理料、遺伝子診断に使用する試薬類等に使用する予定である。