2020 Fiscal Year Research-status Report
Live imaging and counting system of stemness induction and cellular kinetics during persistent growth of cancer cells
Project/Area Number |
20K20597
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 光保 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20194855)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | がん / がん幹細胞 / 細胞増殖 / 3次元培養 / 生物発光共鳴エネルギー移行 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.生物発光共鳴エネルギー移行(BRET)を活用した幹細胞性と細胞増殖性のリアルタイム多色イメージングシステムの構築 大阪大学永井健治博士が開発したBRETによるイメージングシステムであるenhanced Nano-Lantern (eNL)を幹細胞性遺伝子(OCT4, SOX2, NANOG)と細胞増殖関連遺伝子(MKI67)の遺伝子発現制御領域依存的に核に発現させるベクターを作製して、がん細胞に発現させ、幹細胞性遺伝子とMKI67の発現の可視化を行った。 2.がん細胞増殖動態リアルタイム解析システムの構築 1.で作製した細胞をスフェア培養条件下で培養して、増殖細胞数(MKI67-Red eNL)、非幹がん細胞の累積分裂数(動画のイメージ解析により算出)、幹細胞数(OCT4-Green eNL or SOX2-Green eNL or NANOG-Green eNL)、幹細胞の累積分裂数並びに非幹がん細胞に幹細胞性が誘導される幹細胞性誘導によるがん幹細胞の累積増加数(幹細胞マーカー陰性細胞の陽性細胞への転換数)を自動で計測するソフトウエアを開発するための発光顕微鏡下での培養実験を行なった。培養液の蒸発や培養皿の結露など発光顕微鏡細胞培養システム上の問題解決に時間がかかっており、ソフトウエアの開発の段階に至っていない。 このほか、スフェア培養ができないがん細胞の長期3次元培養法としてPolyvinyl formal resinをscaffoldとして用いた培養方法を確立した。この方法によってスフェア培養ができないがん細胞を用いたイメージングも可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染の拡大により、実験研究の実施に多少の遅れ(学生による実験実施が予定通り進められなかった)と発光顕微鏡の培養システムに種々の問題があったことにより、研究の進捗が多少遅れているが、令和3年度、4年度で挽回し、最終的には目標に達するようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度中にMKI67と幹細胞遺伝子のマーカーを発現した3次元培養モデルにおける細胞増殖動態観察ビデオを撮影し、令和3年度から4年度にかけて解析ソフトウエアを作成する。 同時に、患者由来がんオルガノイド培養にもイメージングシステムを導入し、細胞増殖動態の解析を行う準備を進める。
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