2021 Fiscal Year Research-status Report
進化運動生理学の創出:ロコモーションの収斂進化に基づくトレーニング・運動処方革新
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20K20619
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 運動 / ロコモーション / 進化 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートや健康を目指す人々には、ある強度を一定時間持続する定常運動が主に推奨される。これは、運動生理学が人工的な運動条件により、身心の機能向上や生活習慣病の予防・改善に資する運動効果を解明してきた成果である。一方、大空を飛翔する鳥類、大海を遊泳する魚類、ホイールで走行する齧歯類、先を急ぐヒトなど、動物の移動運動(ロコモーション)は種を超えて断続的である本研究は、ロコモーションの進化に基づく断続運動モデルを開発し、そのエネルギー効率と身心の機能に及ぼす有益な効果を解明することを目指す。 4年計画の2年目である令和3年度は、実験計画に従い、実験2を実施した。 実験2では、小動物用トレッドミル型代謝チャンバーを用いて、令和2年度に実験1で開発した通常の持続運動とロコモーションを模した断続運動との2形態を示すWistarラットモデルにより、安静、またはレーン長の異なるトレッドミル走運時のエネルギー代謝を検討した。その結果、断続走時の呼吸交換費の低下、すなわち脂質酸化量の亢進が観察された。次に、持続運動と断続運動の2条件で疲労困憊に達するまでの走行時間を測定したところ、断続運動で2倍程度長い走行時間を示すことを確認した。 これらの結果は、進化に基づく断続型運動は脂質を優先的に利用することで疲労の発生を遅らせることができる運動形態であることを示している。今後更に詳細な解析を進め、学会発表や論文誌筆を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1では、予定通り、断続運動の実験モデルの作成に成功した。また、実験2においても、断続走のポジティブ効果を運動持続時間とエネルギー代謝の両面から確認することができた。これらは当初の予定に合致することから、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、実験2で確認された、断続運動の抗疲労効果について、全身のエネルギー代謝のみならず、骨格筋や脳のグリコーゲンなどから詳細に分析を進める。さらに、同様のラットモデルを用いて、断続運動の慢性効果の検証も試みる。
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Causes of Carryover |
令和3年度の国内学会での発表のための旅費がコロナの影響で不要となったため、令和4年度に消耗品費や英文校正等の役務費として活用する。
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Research Products
(4 results)