2021 Fiscal Year Research-status Report
身体性の再構築を前提とした異部位触力覚提示の応用展開
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20K20627
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| Research Institution | The University of Electro-Communications |
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Principal Investigator |
梶本 裕之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80361541)
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| Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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| Keywords | 触覚 / 力覚 / ウエアラブル / バーチャルリアリティ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、異部位触力覚提示の要素技術をさらにブラッシュアップしつつ統合的なシステムの評価実験を開始した。まず指先の触覚を前腕に提示するシステムに関して、VR空間中で手先で物体を持ち上げるというタスクを課し、指先が感じるべき感覚を実際に指先に振動により提示する手法と腕に提示する提案手法を比較する実験を行った。その結果、腕への感覚提示は主観的な体験としては遜色のないものになることが明らかとなった。この成果はIEEE Trans. On Hapticsに採録された。さらに身体のどの部位で提示を行うことが有効であるかを検討するため左右の前腕と左右の足で比較実験を行い、指先の触覚は同じ手の腕に提示する際に最も高い臨場感を得られることが明らかとなった。
また要素技術の検討も引き続き行った。指先の触覚を顔、特に頭部搭載型ディスプレイによって覆われる頬部分に提示する手法に関して、昨年に引き続き設計最適化のためにFEMシミュレーションを行い、空気穴の個数やサイズに関する最適化を完了した。また触覚提示素子そのものの開発として、皮膚貼付け型の振動子の開発を行い、従来とは異なる磁石とコイルの配置によって効率的な振動適時が可能であることをしめした。昨年度発見した電気刺激による温度感覚提示に関しては引き続き多数の電極を用いた効率的な冷覚提示に関する検討を行い、多数の電極による事前調査によって冷覚が感じられた点のうち、そのすべてを刺激する場合と、圧覚や振動感覚を同時に感じる点は排除する条件などを比較し、冷覚がその他の感覚よりも強く感じた点を選択的に刺激した際に最も強い冷覚を正規可能であることを見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年に引き続いて異部位触覚提示の要素技術と、実際のVR環境における実施の２つの柱で研究を行った。要素技術に関しては空気圧を用いた手法の最適化は完了し、振動感覚提示、温度感覚提示素子のそれぞれについても大きな進展が見られた。全体の評価実験に関してもVR環境を整えることで実施することが出来た。以上のことから概ね順調であると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は異部位触覚提示の評価実験を本格的に行う。そのためにこれまでVR環境で行ってきた実験を、ロボットを用いた遠隔操縦環境に置き換える。ロボットの指先に分布型触覚センサを取り付けることで触覚伝送を行う。このシステムの基本は別プロジェクトの援用で実現できる。触覚センシングで得られた触覚情報をこれまでに開発してきた異部位触覚提示に適用する。またVR環境も実用上重要な応用先であるため、特にHMD内蔵型の触覚提示装置によって指先の触感がどの程度リアルに感じられるか検討する。
さらに、力の感覚の提示との融合も試みる。これまで錯覚現象を用いた擬似的な力覚提示の手法を開発しており、それらの手法と、これまでの触覚提示手法とが融合的に提示できるか検討する。
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