2020 Fiscal Year Research-status Report
Quest for artificial intelligence principles to avoid algorithmic bias
Project/Area Number |
20K20651
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 人工知能 / 完全自動運転車 / 倫理的推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
深層学習をはじめとする人工知能技術は、様々な驚くべき革新をもたらすと同時に倫理的課題も生起させている。その中でもアルゴリズム的偏見は、マイノリティへの差別や社会の分断を助長しかねない深刻な問題である。これは、既存の偏見がAIの利用により強化・固定化される現象であり、学習データそのものに偏見が投影されていることに原因がある。このようにデータドリブンで価値判断を求める際に生じるアルゴリズム的偏見の回避は、高度科学技術社会の到来に伴って必然的に生じる重大なテーマであるにもかかわらず、学術的にはその指摘がなされている程度で、問題解決には程遠い現状がある。本研究では、応募者がこれまで従事してきた進化安定性分析と被験者実験という異分野の手法を用いて、アルゴリズム的偏見を回避するための人工知能原則を、実証的分析と規範的分析の両面から探求する。 初年度はアルゴリズム的偏見の代表例として、完全自動運転車における道徳のジレンマを取り上げ、倫理的推論に基づいて問題の定式化を行った。この内容のうち、理論的分析は Scientific Reports に、実験的分析は Plos ONE にそれぞれ発表された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施予定の完全自動運転車を例とした問題の定式化は完了した。一方、第二年度以降に実施予定の解析や被験者実験などのために必要な研究打ち合わせが、特に海外の研究協力者らとの機会を作ることができず、遅れることが予想されるので、適宜研究計画を変更しながら実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
第二年度は道徳評価ルールの規範的分析を行うため、進化ゲーム理論を用いた解析を行い、最終年度で被験者実験を行う予定であるが、感染症の影響があるので、状況に応じて臨機応変に対応したい。
|
Causes of Carryover |
当初計画では海外研究者との打ち合わせのために旅費などを計上していたが、感染症の流行によりそれらを次年度以降に延期した。
|
Research Products
(3 results)