2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K20655
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中川 崇 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (40610374)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 抗老化 / NAD / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
NAD(ニコチンアミドジヌクレオチド)は老化制御因子の一つとして近年非常に注目を浴びている。NADは補酵素として様々なエネルギー代謝の制御に関与しているだけでなく,ポリADPリボシル化酵素PARPや抗老化分子サーチュインの基質として,DNA修復や遺伝子発現,ストレス応答など様々な細胞内機能を介して老化を制御していると考えられている。NADの合成経路にはアミド体を介する経路と脱アミド体を介する経路があり,それらは独立してNAD合成を行っていると考えられていたが,申請者はこの2つの合成経路を繋ぐ新規のNAD合成経路を発見した。本研究計画では,この新規NAD代謝経路が様々な老化関連疾患にどの様に関与しているのか解明するとともに, NAD前駆体を用いた抗老化のためのNAD補充療法における役割を検証する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規NAD代謝経路を媒介する酵素の同定は完了し、現在論文を投稿している。また、新規NAD代謝経路で働くNAD前駆体の単回経口投与による生体内の代謝動態も解析を終了した。現在はこのNAD前駆体の長期投与を行い、NAD代謝動態を解析するとともに、加齢や肥満などの代謝異常に対してどの様な効果を持つか解析を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規NAD前駆体を用いた抗老化作用の検証を進めていく。また、NAD代謝の変化をメタボロミクスで解析するとともに,加齢によって生じるサルコペニアや肥満,耐糖能異常への影響を明らかにする。そのため,体重,筋肉・脂肪量,筋力,耐糖能やインスリン感受性を経時的に調べる。さらには、ヒトへの投与を考え、臨床研究の準備を進めている。
|
Causes of Carryover |
本年度は十分な実験がおこなうことができたため残額が生じ、次年度に物品費として利用する。
|
Research Products
(5 results)