2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20655
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中川 崇 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (40610374)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | NAD / Aging |
Outline of Annual Research Achievements |
NAD(ニコチンアミドジヌクレオチド)は老化制御因子の一つとして近年非常に注目を浴びている。NADの合成経路にはアミド体を介する経路と脱アミド体を介する経路があり,それらは独立してNAD合成を行っていると考えられていた。我々は、NAD前駆体としてヌクレオシド体であるニコチンアミドリボシド(NR)を用いて、生体内でのNRからNADの合成系について解析を行い、アミド体と脱アミド体の経路の関係性について解析した。NRは経口投与すると小腸に発現するBST1で分解されニコチンアミドになったのち、ほとんどが腸内細菌の作用によりニコチン酸(MA)へと分解され、大腸から吸収されることがわかった。さらに吸収されたNAは肝臓で脱アミド体経路を介してNADへと合成されることを見出した。実際、ニコチン酸からNADを合成する酵素Naprtの欠損マウスでは、NRによるNAD合成が見られなかった。また、腸内細菌叢を破壊したマウスでも同様にNRによるNAD合成が見られなかった。さらに、BST1はbase-exchange活性を持つことを明らかにした。この反応では、BST1はNRとニコチン酸からニコチン酸リボシド(NAR)を合成した。また、逆の反応としてNARとニコチンアミドからNRを合成する活性も持つことを明らかにした。この結果は、BST1を介してアミド体と脱アミド体の経路を結ぶ新規NAD合成系があることを明らかにしたものである。また、同様にNAD前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチドに関してもその代謝経路を解析し、NR同様に腸内細菌経路がNAD合成に必要であることがわかった。一方で、NMNに関しては直接吸収される経路もある程度存在すると考えられた。
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[Journal Article] Depletion of CD206+ M2-like macrophages induces fibro-adipogenic progenitors activation and muscle regeneration2022
Author(s)
Nawaz A, Bilal M, Fujisaka S, Kado T, Aslam MR, Ahmed S, Okabe K, Igarashi Y, Watanabe Y, Kuwano T, Tsuneyama K, Nishimura A, Nishida Y, Yamamoto S, Sasahara M, Imura J, Mori H, Matzuk MM, Kudo F, Manabe I, Uezumi A, Nakagawa T, Oishi Y, Tobe K
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Pages: 7058
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Food odor perception promotes systemic lipid utilization2022
Author(s)
Tsuneki H, Sugiyama M, Ito T, Sato K, Matsuda H, Onishi K, Yubune K, Matsuoka Y, Nagai S, Yamagishi T, Maeda T, Honda K, Okekawa A, Watanabe S, Yaku K, Okuzaki D, Otsubo R, Nomoto M, Inokuchi K, Nakagawa T, Wada T, Yasui T, Sasaoka T
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Journal Title
Nature Metabolism
Volume: 4
Pages: 1514~1531
DOI
Peer Reviewed
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