2021 Fiscal Year Research-status Report
ネオロコモ:俯瞰的システムから挑む運動器不全メカニズムの全貌解明
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20K20657
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 佑介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90761495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶌 一平 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (20646286)
宇野 光平 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (50873585)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行解析 / ビデオベースモーションキャプチャ / 信号処理 / 筋シナジー解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はビデオベースモーションキャプチャデータと筋活動データに対して、歩行特徴を捉えるためのロバストな統計的解析方法を開発し、ソフトウェアとして公開した。臨床応用を想定した場合には、厳密に統制された環境下で測定されるとは限らず、測定環境や測定者のスキルの違いなど、関心のある対象とは関連のないノイズが混入する。これらは再現性を高める上でのハードルとなり、また臨床応用を阻む一つの主要因である。これらを曖昧さのない統計・数理的基準に基づいて、自動的に処理可能な解析基盤を構築することが必要であった。
一つ目は非統制環境下においてビデオベースモーションキャプチャ手法の一つであるOpenPoseにより測定された歩行データに対する自動前処理方法の開発である。我々はOpenPoseを用いて歩行測定をした場合に生じる様々な異常誤差を精査して、4つの誤差類型を同定した。それらに対して、解剖学的、生体力学的観点を踏まえつつ、統計的に異常検出して補正するアルゴリズムを開発した。また、公開されている1万人を超える超大規模歩行データへ応用し、有用性を実証した。
二つ目は、複数人に対する多チャンネル表面筋電位データを用いた筋シナジー解析パイプラインの開発である。臨床において筋シナジーに基づく評価や群間における比較を導入していくためには、再現性の問題を解決する必要がある。特に筋シナジー解析における再現性を阻む要因として、個体内変動と個体間変動、また筋シナジー導出に用いられる非負値正定値行列分解(NMF)における解の不定性があげられる。これらに対する解決策として、周期間、個体間で潜在的に共通した主要な筋活動パターンを近似する統計的モデルの開発と、NMFを各個体ごとに適用するのではなく、群ごとで適切に要約した一つの筋活動パターンに対して適用するアルゴリズムを用いる方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに解析アルゴリズムの開発が進んでいるため
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Strategy for Future Research Activity |
開発した方法を高齢者と若年者のそれぞれから取得したデータへと適用することで、有用性を実証するとともに、高齢者における運動器疾患のメカニズムを生体力学的観点と神経生理学的な観点から明らかにする。また、より詳細なメカニズムを調べる解析方法として、解剖学的な骨格筋ネットワーク構造を加味した筋シナジー解析モデルを開発する。
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Causes of Carryover |
解析アルゴリズムの検証で用いるシミュレーションモデルの構築に時間を要したこと、また、実証用の実データの収集に時間を要したため。次年度は、これらの計画を滞りなく進めるため、大規模計算環境の構築を進め、論文投稿を進めていく。
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