2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症診断を目指した脳内酸素代謝の非侵襲的観測法の開発
Project/Area Number |
20K20665
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津田 正史 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (10261322)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 磁気共鳴イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
脳神経細胞機能の変性や消失を伴うアルツハイマー型認知症(AD)のような疾患の病態診断の開発を目的として、神経細胞中のミトコンドリアで起こる酸素代謝、すなわち酸素ガスを取込んで水へ変換する反応を非侵襲的かつ定量的に計測することを計画した。高知大学が所有する動物用強磁場MRI装置を用いて、インビトロ17O濃度定量と画像化法の確立、インビボでの17O濃度測定と濃度動態の画像化の検討を行う。 信号強度から画像化を可能とする新しいMRI測定プログラムの開発として、核磁気共鳴(NMR)測定にて17O 直接測定における1H核広帯域デカップリングの効果を検証し、1.5倍程度の信号増強が認められた。17Oを観測核として照射核1Hをデカップリング照射する化学シフトイメージング測定プログラムを2種類作成した。 検出コイルの作成と調整:MRI用検出コイルは、観測核17O、照射核1H二重収束型のサーフェスコイルを新たに作成し、マウスでの17O-MRS測定を実施できることを実証した。本コイルを用いて各種17O濃度溶液を用いて17O信号強度による検量線として、20mmol/Lから400mmol/Lの領域では、17O水信号強度、積分値に直線性があることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画どおりに進行していること、および、動物実験などの計画も順調に進んでおり、研究計画の達成は十分に見込める。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2021年の実験を進める。 「インビボ17O水定量」として、D)様々な濃縮度の17O水を静脈注射あるいは経口投与などでマウスに投与し、脳の17O MRI測定を実施してインビボでの17O MRI信号測定実験を検討する。さらにインビボでの17Oガスの呼吸による17O水への変換を非侵襲的な検出を試みる。
|
Causes of Carryover |
打ち合わせや研究発表用に用意した旅費をほとんど使用することがなかったため。打ち合わせはオンラインにて可能な場面が増えたので問題はなく、研究の進行が順調なことから、酸素ガス投与実験を行うことを考えるとともに、装置のアンプ等の部品交換を更新し、高機能化をはかり、より精度の高いデータ測定を目指すこととする。
|