2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing test battery of auditory temporal resolution for aged populations, using fast measurement method QUEST
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20K20666
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 周司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 晶 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50286556)
岡本 康秀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 客員講師 (10317224)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 聴覚 / 時間分解能 / 高齢者 / 検査 / Zest |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度のコンピューターシミュレーションの結果を基に、ZESTによる振幅変調(AM)検出閾値と無音検出閾値の測定を行った。測定対象は、20歳代の若年健聴者58名(内3名は参加態度不良などで分析から除外)、30~50歳代の壮年健聴者11名、高齢難聴者5名であった。AM検出閾値は変調周波数8、16、64、128、256 Hzのそれぞれで測定した。また、全ての変調周波数でのAM検出、及び無音検出ではZESTの1回の測定とともに、1-up 2-downの変形上下法で2回測定を行った。これは、変形上下法の2回の測定値の平均をその測定対象者の「真の閾値」と見なし、それとの違いによりZESTの測定の精度を評価するためである。但し、高齢難聴者の負担を考慮し、全測定を2つのセッションに分け、第1セッションでは全対象者共通で無音検出及び変調周波数8と256HzのAM検出を実施し、第2セッションは若年と壮年健聴者のみで16、64、128 HzのAM検出を実施した。ZESTでは30回で測定を終了し、変形上下法では測定値の反転が12回で終了した。 以上の測定の結果、若年健聴者群と壮年健聴者群のZESTの測定値は、変形上下法2回の測定値の平均と非常に近い値となり、ZESTの測定の精度が高いことが示された。また、ZESTの測定値は平均としては10~20試行でおおよそ一定となり、効率も良いことが示された。高齢難聴者群に関しては、データが揃わない事例があったものの、傾向としては健聴者群と同じであった。 以上の結果について、2021年3月に研究分担者と協力者を交えてオンライン報告会を行い、質疑応答と次年度の研究方針を議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍での感染拡大防止対策のため、測定実験が実施可能になったのが10月からであった。特に高齢難聴者のリクルートと測定が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染状況が落ち着き始めたので、感染防止対策を十分に行ったうえで、測定を継続する。特に、現時点では測定数が少ない高齢難聴者のデータを取るよう工夫する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ感染が急拡大した時期に、予定していた実験が完成拡大防止のため中止になったこと、学会出張が取りやめになったことである。次年度では、その分の経費を、中止した実験の実施や成果発表のための学会出張に充てる。
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