2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Hypobulia and Possibility of Neurotherapeutic Approach in the Very Elderly
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20K20671
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤山 文乃 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20244022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 康治 北海道大学, 医学研究院, 博士研究員 (30648431) [Withdrawn]
苅部 冬紀 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60312279)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 加齢 / ドーパミン / 大脳基底核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、加齢による神経路の解剖学的および電気生理学的変容を解明するために、加齢と神経伝達物質の影響とを切り分けつつ、大脳基底核神経路がどのように適応的に作り変えられているかを解明することを目的とした.ドーパミン神経細胞は生化学的・遺伝学的に複数のサブクラスに分類されるが、パーキンソン病あるいは加齢により変性するドーパミン神経細胞のサブクラスは同じものなのだろうか?パーキンソン病により優先的に変性脱落するサブクラスはcalbindin 陰性のドーパミン神経細胞であることがわかっているため、老齢マウスにおいてcalbindinとドーパミン合成過程の律速酵素であるチロシン水酸化酵素 (TH) の二重免疫染色を行ったところ、ドーパミン細胞の絶対数およびサブクラスの比率に加齢による変化がないことがわかった。また、THの免疫染色により、中脳黒質から線条体へのドーパミン投射量を観察したところ、線条体におけるTH量に関しても加齢に関する変化は認められなかった。このため、加齢自体はドーパミン減少の原因ではなく、パーキンソン病の罹患率が加齢によりあがるのは、別の原因であることが明らかになった。また私たちは、尾側線条体の腹側領域で、ドーパミン受容体サブタイプの発現割合が異なるPoor zoneが存在することを見出した。さらにPoor zoneでは直接路と間接路の二種類の投射細胞の分布様式が他の線条体領域と大きく異なることや、その出力先が尾側淡蒼球外節と黒質側方部に限局することを報告した。興味深いことに、この領域は若齢マウスでも高齢マウスでも、また霊長類であるマーモセットにも存在することを明らかにした(Ogata al. 2022)。現在はこの領域の機能的意義を調べるために電気生理学的解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題において、形態学的解析はほぼ順調に進捗している。しかし世界的な半導体の不足により、電気生理学的実験に必要な実験機器の導入が遅れ、電気生理学的検証の部分がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢によってどの遺伝子タイプのドーパミン神経細胞が先に影響を受けるのかは北海道大学遺伝子病制御研究所の村上教授の指導の下でシングルセルRNAseq解析を進めている。また、2022年度に報告した(Ogata et al., 2022)ドーパミン投射の少ない線条体領域の機能的解析も教室内で進めている。
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Causes of Carryover |
本課題の電気生理学的解析において、新型コロナウイルスの感染拡大による影響に伴い、構成品の輸入量減少による発注元の納品遅延により、予定していた電気生理実験に不可欠な機器の納期遅れが判明した。このため、ドーパミン細胞の電気生理実験を延期して実施する必要が生じ、これらの機器を購入するための予算を次年度使用額(物品費)として計上した。
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Research Products
(12 results)