2022 Fiscal Year Research-status Report
「客観」と「表現」の境界を探る医学コンテンツデザイン指標の創出
Project/Area Number |
20K20681
|
Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
元木 環 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (80362424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
吉田 雅則 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 准教授 (90589954)
今井 拓哉 福井県立大学, 恐竜学研究所, 助教 (40786993)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 医学教育コンテンツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、事例調査として2021年度に研究代表者が調査およびコンテンツデザイン担当として実施した医学教育の歴史と現在をテーマとする博物館企画展示の記録制作を行い、それを通じて同企画展の展示監修者である医師(医学教育研究者)へのインタビューを行い、他の医学教育コンテンツのデザイン指標についての考察を行った。企画展示の中で、明治時代から昭和、現在に至る教科書、模型、標本、シミュレーターといった多様な医学教材を体系づけて取り扱い得た知見を集約、省察し、医学教育コンテンツから医学生がどのように何を学びとっているのか、あるいは何を学び取ることを意図しているのか、医師と制作者で考察とその指標の抽出を行った。 その結果、模型や標本、あるいは画像といった医学教材からは、1)文字情報と照合して用語を記憶するとともに、その文字の著している概念を理解すること 2)視えたものを描く際、実物の精密な描写を求めるのではなく、どこをどのように視るのかを理解すること、3)視えたものを自らの理解を通じ表現できること 4)視覚情報の示す意味を解釈し、その後どのように活用すべきか判断すること、といった点が意図されていることが明らかになった。 これらの視座は、本研究で対象としている医学教育用3次元モデルのデザインプロセスにおける研究者と制作者が獲得していく(あるいは発見されようとしていく)具体的なコミュニケーションの分析に活かすことができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、研究代表者の体調不良がつづき、事例調査以外の制作コミュニケーションの分析考察、成果の取りまとめまで至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
懸念事項であった体調不良が治療により改善されたこと、次年度は各研究分担者との連絡を密にし研究を遂行する。また、事例調査により医学教材全体の評価観点について知見を得られたため、本研究が対象とする3次元モデルの医学教育コンテンツも、医学教育コンテンツ全体の中の位置付けが行えたため、今年度はデザイン指標抽出を進める方向性が定まった段階から成果の取りまとめにかかれる予定である。
|
Causes of Carryover |
研究代表者の体調不良により、本研究の予算の執行計画にある会話データの分析や対面での研究打ち合わせができなかったため、次年度にこれを遂行する。
|