2020 Fiscal Year Research-status Report
The aspects of succession, disconnection and revival of the Songs and Dances of Rice planting in modern Japan: through approaching from the group's memories to an individual's memory.
Project/Area Number |
20K20685
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
三島 わかな 沖縄県立芸術大学, 付置研究所, 研究員 (60622579)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 御田植祭 / 文化の復興 / 伝統の継承 / 次世代への継承 / 地域間交流 / 地域おこし / 現代社会における変質 / 総合的学習の時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)香川県綾川町(旧綾上町)にて、「主基斎田お田植えまつり」を運営している主基斎田保存会の関係者ならびに行政方(綾川町綾上支所長)へのヒアリングを行った。その結果、綾川町という地域の芸能である御田植歌や御田植踊が、2015年の100周年記念の際に、秋篠宮殿下妃殿下が来場なさることを契機に、芸態などが見直されたことがわかった。あわせて2015年以来、下記(2)の調査先である愛知県岡崎市「大嘗祭悠紀斎田お田植えまつり」との相互交流も始まった。両地域はともに大正天皇即位の大嘗祭の選定地であり、その縁が100年を経て復活(再確認)したことになる。そして、綾川町という一地域の芸能として認識されていたものが、2015年の100周年の際に近隣地域の人々を巻き込んだことで、広義には「香川県の芸能」として認識されるようになった。主基斎田保存会の運営メンバーは、御田植歌や御田植踊を次世代へ継承しなければならないという意識が強く、地元の高等学校ならびに小学校との連携強化がはかられている。 (2)愛知県岡崎市(旧六ツ美村)にて、「大嘗祭悠紀斎田お田植えまつり」を運営している悠紀斎田保存会の関係者、ならびに行政方(岡崎市市民生活部六ツ美支所長)へのヒアリングを行った。その結果、上記(1)の調査先である香川県綾川町「主基斎田お田植えまつり」との相互交流の経緯やありようについて再確認できた。昭和33年の市町村合併後、旧六ツ美村は岡崎市へ吸収合併されたが、「大嘗祭悠紀斎田お田植えまつり」は現在でも六ツ美村の行事であるという意識が根強い。その点で、上記(1)の意識とは異なる。 (3)以下にあげる各館にて、資料調査を実施した。 国立国会図書館、東京都立中央図書館、香川県立図書館、綾上町生涯教育センター、綾川町主基斎田記念館、愛知県立図書館、岡崎市立中央図書館、岡崎市地域交流センター六ツ美分館・悠紀の里、大正宮。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はコロナ禍の影響があり、渡航調査が予定通りに運ばない時期が長期間に亘ったことが、進捗が遅れた原因である。したがって年度末において集中的に現地調査を実施したものの、予定対象地域のすべての調査を実施できたわけではない。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづきコロナ禍の状況下においても、調査対象地ならびに研究代表者の拠点地の感染状況をみきわめつつ、調査対象地と密に連絡をとりあいながら、なるべく研究計画内容を遂行できるようにする。 御田植祭が開催されない調査先においては、2019年度以前の開催模様の映像や音源などの確認・収集へと方針を切り替えることも想定される。
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Causes of Carryover |
未使用額が生じた理由は、今年度実施できなかった調査渡航費や雑費分である。 今年度の未使用額については、次年度内に渡航調査を実施することで消化したい。
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