2020 Fiscal Year Research-status Report
Preliminary research for studies of late Cold War culture and construction of an international cooperative research platform
Project/Area Number |
20K20694
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
越智 博美 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90251727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70249621)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 冷戦 / 文化政策 / CULCON / USIA / 国務省 / アメリカ研究 / ロックフェラー財団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、まだあまり研究が進んでいるとは言いがたい1960年代以降の冷戦期文化政策について、実証的な資料の所在確認を行う一次資料の特定、ならびに、その精査を通じた国際共同研究に向けたプラットフォーム構築を目的とする。前者については、新型コロナウィルスの影響を受け、大幅な計画の狂いを余儀なくされているが、その中でできることとして、本プロジェクトの中心を占めるといってもよい海外資料調査については、スタンフォード大学のHoover Instituteのご厚意により計画していたCULCON調査のうちの一部の資料のスキャンをお願いすることができたほか、詳細な検索により、あらたに調査すべき場所を特定するなど、調査再開時の準備に注力した。国内調査については、国会図書館での調査、および予定されていた国際文化会館の予備的な調査を予定通り終了。今後の資料収集に向けた調査等、現時点でできることは進めている。その中で、閲覧時間の限定といった制約はあったが沖縄県立公文書館の予備的調査も実施し、沖縄におけるアメリカ研究の成立について、ミシガン州立大学のプロジェクト、今後の調査にかかわる重要な下調べができたほか、吉原、越智ともに発表論文に調査成果の一部を反映した。 後者のプラットフォーム形成については、海外共同研究者のHarilaos Stecopoulosを司会とコメンテイターに据えて、国際学会のパネル採択を果たしたが、学会が事実上延期になったために、学会の場での意見交換や打合せは延期されている。とはいえ、Stecopulosについては、基盤研究(B)(19H01239、代表越智博美)と共催して三月に開催した国際シンポジウムにおいて、後期冷戦という枠で発表を依頼し、前期冷戦期の発表を行ったその他の研究者らも交えてあらためてネットワーキング、および意見交換をし、今後の研究計画について共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の主軸は、まだあまり研究が進んでいるとは言いがたい1960年代以降の冷戦期文化政策について、実証的な資料の所在確認を行う一次資料の特定、ならびに、その精査を通じた国際共同研究に向けたプラットフォーム構築を目的とする。新型コロナウィルスの影響を受け、前者の、とりわけ海外における一次資料調査が深刻な打撃を被っている。むろん、ロックフェラー財団のアーカイヴとは緊密に連絡を取り続けてはいるものの、現時点に至るまで閉館しており、また本研究の研究者二名も渡米ができない状態が続いている。とはいえ、1年目に予定していたCULCONの調査については、Stanford大学のHoover Instituteが保持しているものについては一部を先方のご厚意でスキャンをお願いできたほか、その他に現時点でできうる下調べを行った結果、あらたに調査すべき対象も絞り込むことができているので、渡米が可能になった時点で効率よく調査する準備は行っている。国際プラットフォーム形成については、オンラインという制約はあるものの、国際会議を開催したほか、また別途意見交換の機会も設けて、海外研究協力者(Harilaos Stecopoulos)と緊密な連携を保っている。こちらについても双方の行き来が再開したところで効率的に共同研究態勢(データ共有含めた)を構築する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最大の問題はコロナウィルス感染症であるが、これが収束して渡米可能になったところで、二年分の調査をこなすべく渡米して資料調査を行う。調査先で何を調べるかについては相当程度絞り込みも行っているので、可能な限り研究分担者の吉原ゆかり氏と共同で効率のよい調査を行うことで、遅れを取り戻す所存である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス問題のために、おもに渡航しての調査、海外での学会発表がすべてキャンセルになり、計上した予算を使わない状態が生じている。この問題が解決し次第渡航しての調査を行い、当初の遅延分を取り戻す予定である。
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Research Products
(4 results)