2023 Fiscal Year Research-status Report
介護現場における異文化コミュニケーションを円滑に進めるための事例集の開発研究
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20K20696
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
神山 英子 淑徳大学, 留学生別科, 講師 (30787495)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | 外国人労働者 / 介護 / 異文化コミュニケーション / 日本語コミュニケーション力 / 技能実習生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外国人介護人材が就労する介護施設等をフィールドとし,「日本人職員」と「外国人職員」間及び「介護福祉施設利用者」と「外国人職員」間に生じる可能性が高い「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」を具体的に明らかにし,その事例集を作成し,その解決策も記した事例集の活用によって,介護現場での異文化コミュニケーションを円滑にすることを目的とするものである。 2023年度は,2020年度、2021年度、2022年度に引き続き複数の介護施設において,日本人職員と外国人職員,双方からの異文化コミュニケーションに関するアンケート調査の分析を行い,どのような場面でどのような「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」が生じたか明らかにし,その実際にあったトラブルの事例集を作成した。また,オンラインでのインタビュー実施時には,外国人職員に対して「日本語の習得」について調査し,「歩行介助」,「移乗介助」,「入浴介助」,「清拭」,「食事介助」,「排泄介助(おむつ交換やポータブルトイレ使用等)」,「レクリエーション」,「申し送り」,「雑談」等,場面別に日本語習得が難しい表現についてまとめた。 また、2023年度は研究データから知り得た外国人介護人材が感じる職場でのマイグロアグレッションについて学会発表し、「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」事例集をまとめる知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に続き,2023年度も複数の介護施設においてアンケートとインタビューを実施することができたが,新型コロナウイルス感染症および季節性インフルエンザ感染の拡大予防の観点から直接施設を訪問をすることは難しかったため,インタビューについては、オンラインで実施した。また,「日本人職員」と「外国人職員」間についてはデータはある程度収集できたが,「介護施設利用者」と「外国人職員」間についてのデータは依然収集できていない。その他に,非言語コミュニケーションの実例を知るために映像録画も試みたが,介護施設に立ち入ることが依然できず実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに作成した「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」事例集については,2024年度も引き続き外国人を受け入れた経験のある介護施設で実際に見ていただき,その事例集に関するアンケートやインタビューを踏まえ,完成させ、学会等で発表し,知見を得て,その成果について論文を投稿する。また,前述の事例集を基にした介護現場に勤務する外国人職員のための日本語テキストを実際に介護施設で使用していただき,そのフィードバックを基に完成させる。
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Causes of Carryover |
今年度は研究が進まず、使用額がなかった。次年度は調査や学会発表等に使用する。
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