2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・キャンパスの言語マイノリティ―多言語事情とアイデンティティを探る
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20K20701
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴田 美紀 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (90310961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STAICOV ADINA 広島大学, 学術・社会連携室, 助教 (90864645)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | アイデンティティ / 留学生 / 高等教育機関 / 言語使用 / 非英語母語話者 / 非日本語母語話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語と英語の言語環境で学ぶ留学生の言語実態とアイデンティティとの関連性を多角的かつ包括的に調査するものである。彼らが何と対峙し葛藤しているのかを明らかにすることで、日本の大学が国際通用性の高い教育を提供し、学際的に真の国際化を遂行するための具体的な示唆を試み、究極的には言語(英語)教育と共存社会を考える指針へとつなげる。この研究目的を遂行するため、アンケート調査とインタビューを実行する。今年度は主にアンケート項目の作成を行った。言語とアイデンティティに関わる先行研究で用いられたアンケート項目を参考に、本研究のアンケートを作成した。なお、先行研究の論文が英語であることと、研究代表者と共同研究者の共通言語が英語であることから、アンケート項目はすべて英語で作成した。パイロットスタディとして、大学院で学ぶ留学生6名に実際にオンラインアンケートに回答してもらい、改善点や提案を書いてもらった。それらをもとに修正を複数回行い、最終版を翻訳会社に依頼し、日本語、インドネシア語、中国語(簡体字と繁体字)に翻訳した。続いて、各言語の翻訳版を、日本語母語話者(研究代表者)、インドネシア語母語話者、中国語母語話者(簡体字と繁体字ともに理解可)に依頼し、逆翻訳を終了した。 現在、オンラインアンケートを作成中である。その作業と並行し、英語で授業を提供する高等教育機関における研究論文や書籍を読み、理論的枠組みを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はアンケートの作成を計画していた。予定通り、アンケート調査のパイロットスタディを6名の大学院留学生に実施し、フィードバックをもとに修正を行った。最終版を翻訳会社に依頼し、日本語、インドネシア語、中国語(簡体字と繁体字)に翻訳し、逆翻訳を修了し、現在オンラインアンケートの作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインアンケートの実施を5月中旬から開始予定である。参加協力については、研究者代表と共同研究者が勤務する大学ホームページにある学生へのオンライン掲示板を利用し、アンケートとインタビューの参加を募る。2021年度前半はアンケート調査、後半はフォローアップ・インタビューを行う予定である。ただし、インタビューの実施は、現在の状況からコロナ禍の収束が予測できないため、オンラインで行う。インタビューの参加者はアンケート調査の際、希望者を募る
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Causes of Carryover |
申請時に計画した、学会がすべてオンラインになったため、国内外の旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。申請時に次年度分として請求した予算と合わせて、関連図書の購入(特に大学図書館のHPからダンロードが不可である国際ジャーナルの論文購入や年間購読費)およびインタビューの通訳協力者の雇用人数を増やしその謝金に使用する予定である。
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