2020 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会における「ことば」の研究―異世代共生のための語彙体系モデルの構築―
Project/Area Number |
20K20703
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
佐々木 文彦 明海大学, 外国語学部, 教授 (30215727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 昇 明海大学, 外国語学部, 教授 (40210588)
津留崎 毅 明海大学, 外国語学部, 教授 (50217387)
大津 由紀雄 関西大学, 外国語学部, 客員教授 (80100410)
嶋田 珠巳 明海大学, 外国語学部, 教授 (80565383)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 超高齢社会 / 異世代間コミュニケーション / 語彙 / 知的健康寿命 / 語義の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超高齢社会における「ことば」の問題を、高齢者が若年層、特に子どもたちとコミュニケーションを図る上で障害となる問題を発見し、その問題を解決することによって高齢者の「知的健康寿命」の維持を図ろうとするものである。そのために本研究では高齢者と子どもの知的触れ合いの場=現代版桃源郷を構築することによってそれぞれのグループにどのような効果がもたらされるかを検証する。中心的視点はことばであり、研究分担者それぞれの専門性を十分に活かした桃源郷パラダイムの構築を行う。 実際に高齢者と子どもたちが交流するイベントを開催し、イベントの中で両者がどのようなコミュニケーションを行うのかを観察し、そこに生じることばの問題を整理し、よりよくコミュニケーションを図るための問題解決を検討するのが、本研究の調査計画の中心となる。2020年度はコロナ禍のために、交流イベントを実施することが出来なかったため、次の2つのことを行った。 1)各研究分担者が「異世代間コミュニケーション」「語彙の変化」等に着目しながらことばの研究を行い、来るイベント開催に備えて基礎研究を推進する。 2)イベント開催の準備として、協力団体と交渉し、本研究の意義について情報交換する。具体的には品川区立大井第一小学校(校長 藤森克彦)コミュニティスクールにおいて2021年度のイベント開催を計画し、方法等について協議を行なった。また、「高齢者総合福祉センターヒューマン(神奈川県横須賀市)」(施設長 森弘樹)においてもビデオ会議システムを導入してのイベント開催の可能性をさぐるための協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では東京・神奈川の他に秋田・大阪・福岡等にも出張してイベント開催の準備をする計画であったが、あいにくのコロナ禍でイベント開催も現地での協議もままならず、まずは言葉に関する基礎研究を行い、東京・神奈川の2か所の協力団体と協議をするにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度内に、可能ならば対面によるイベント開催の実現を目指すが、難しい場合はテレビ会議システムを利用してのイベント、あるいは動画を送付することによるコミュニケーションの実験を行い、異世代間のやり取りの中に生じる問題点を整理する。 各研究分担者の専門分野の中で、「異世代間コミュニケーション」「コミュニケーションギャップ」「異世代との会話のための語彙選択」「流行語・老人語・死語・古語」など、本研究に関わるさまざまなトピックを見据えながら基礎研究を進め、イベントが開催できるようになった際に言語活動を観察するための観点をピックアップし、理論構築を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で出張旅行に行くことができなかったため、旅費を全く使うことが出来なかった。また、イベント開催に必要な物品を購入することもできなかった。 2021年度は可能ならば旅費を支出して打ち合わせ等を行い、対面型のイベント開催が困難な場合はテレビ会議システムに必要な備品等を購入することで予算を活用する。
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Research Products
(8 results)