2020 Fiscal Year Research-status Report
A preliminary study on the preceramic and early Maya civilization
Project/Area Number |
20K20712
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青山 和夫 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (70292464)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | マヤ文明の起源 / 生業 / 技術 / 物質文化 / セイバル遺跡 / 先土器時代 / 農耕 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の学術的「問い」は、先土器時代からどのようにマヤ文明が発展したのか、その起源・形成プロセスを明らかにすることである。2017年にセイバル遺跡周辺部のアモチ・グループの試掘調査を実施したところ、グアテマラで初めて先土器時代のマヤ低地人の人骨を検出した。そこでアモチ・グループの大規模な新発掘調査を実施し、先土器時代のさらなる人骨、遺構や様々な遺物の検出・分析を通して、これまでよくわかっていない同時代のマヤ低地人の文化実践、技術と物質文化がどのように先古典期中期初頭(前1000年頃)の土器の製作・使用及び神殿ピラミッドや公共広場の建造につながっていったのかというミッシンク・リンクを検証する。本研究の目的は、1)先土器時代の人々は、マヤ文明黎明期の人々と比べてどのような技術や物質文化を有していたのか、2)先土器時代の人々は、マヤ文明黎明期の人々と比べてどれくらいトウモロコシを食べていたのか、3)先土器時代の人々の中には移民もいたのか、いたのであればどこから来たのか、を検証することである。研究目的を達成するために、a)グアテマラにあるセイバル遺跡のアモチ・グループの大規模な新発掘調査によるさらなる先土器時代の人骨、遺構や様々な遺物の収集、b)主要利器であった石器、植物遺体や動物遺体等の遺物の分析、c)先土器時代の人骨の形質人類学分析と同位体分析による食生活と移住の検証、d)先土器時代の人骨と炭素試料の放射性炭素年代測定を実施する。新型コロナウイルス感染の蔓延のために、現地調査に行けなかった。ピンチをチャンスに変えるべく、これまでの研究成果を5本の査読論文と7本の他の出版物として出版した。セイバル遺跡などの戦争に関連する英文査読論文をフロリダ大学出版会の研究書に、セイバル遺跡から出土した緑色岩製品の石材、製作と機能について古代アメリカ学会の古代アメリカに査読論文を出版した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染の蔓延のために、グアテマラにおける現地調査を実施できなかったが、ピンチをチャンスに変えて数多くの論文や本を執筆することができたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、a)アモチ・グループの大規模な新発掘調査による先土器時代のさらなる人骨、遺構や様々な遺物の収集、b)石器、植物遺体や動物遺体等の遺物の分析、c)先土器時代の人骨の形質人類学分析と同位体分析、d)先土器時代の人骨と炭素試料の放射性炭素年代測定による高精度編年の確立を計画している。なお実施計画については、日本国内、経由地のアメリカ合衆国やメキシコ(日本からグアテマラに直行便はない)、現地グアテマラにおける新型コロナウイルスの感染状況を吟味しながら臨機応変に対応していく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染が蔓延したため、グアテマラに渡航して現地調査を実施することができなかったため、旅費の残額が生じた。次年度は、日本とグアテマラのコロナ禍が収束すればマヤ文明の現地調査のために使用する計画である。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Kaminaljuyu Chronology: New Radiocarbon Dates, Bayesian Analysis, and Ceramics Studies2020
Author(s)
Arroyo, Barbara, Inomata, Takeshi, Aju, G., Estrada, J., Nasu, Hiroo and Aoyama, Kazuo
-
Journal Title
Latin American Antiquity
Volume: 31
Pages: 477-497
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-