2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K20714
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 浩一 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20221799)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | イチョウ / 巨木 |
Outline of Annual Research Achievements |
イチョウは種子植物の中でソテツ類とともに最も原始的な性質を残した植物で、いわゆる「生きた化石」のひとつである。現存するイチョウは中国原産と考えられ、10世紀後半に中国で栽培が始まり、日本への伝来は平安時代以降と考えられるが諸説あり、明確な時期はわかっていない。 一般的に幹周の大きい巨木は、細い木に比べ高齢であり、日本国内のイチョウ巨木も、イチョウが日本に伝搬して間もない時期に植栽されたものと考えられる。それらイチョウの巨木の詳細な系統関係を解析することで、中国から日本へ、そして国内各地へ広まったイチョウの伝搬の道筋、中国から日本のどこに入り、どのような経路で全国に伝わっていったかを明らかすることができる。本研究は、大量の遺伝子情報が得られる次世代型DNAシークエンサーを用いて、日本国内のイチョウの歴史的巨木を網羅的に解析し、巨木1本1本にわたる詳細な系統関係を完全解明することである。国内のイチョウ巨木の系統関係が詳細にわかれば、各地に植栽されたイチョウがどのような経路で広められていったか、その伝搬の道筋がわかる。当時の仏教や文化、人々の動きに密接に関わるイチョウの初期国内伝搬プロセスを明らかにする。 イチョウは数年前から全国でサンプリングしており幹周8m以上のイチョウ巨木の8割程度はすでに採集済みである。21年度は未調査のイチョウ巨木のサンプリングを進めた。千葉県、群馬県、福島県、秋田県、新潟県、静岡県、三重県、山口県、福岡県、大分県、鹿児島県で調査を行い、幹周8m以上のイチョウ巨木で、これまでサンプルできていなかった個体をほぼ全て調査・サンプル採集することができた。得られたサンプルからDNA抽出を行いRAD-seq法による遺伝子配列データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
21年度はイチョウ巨木の未調査個体のほぼ全てを調査・サンプルすることができ、次世代型DNAシークエンサー解析も行い、すべての結果を解析する準備が整った.。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた全サンプルの遺伝子データから系統解析を行い、平安時代に中国から伝来した日本のイチョウ巨木の系統関係を解析し、その伝搬経路をも明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析において次世代型DNAシークエンサーを用いたRAD ~seq法を遺伝子解析会社に外注したが、一部のサンプルが、解析依頼したDNAのクオリティが低く解析に至らなかったため、見込んだ金額より安くなり次年度使用額が生じた。解析できなかったサンプルは翌年度に再度植物採集およびDNA抽出、精製を進める予定で、繰越分はその解析に使用する予定である・
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