2022 Fiscal Year Research-status Report
Development research on Rhythm and Dance Notation: A Case Study of Samba de Roda in Brazil
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20K20739
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Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
林 夏木 四国大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20794481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
輪島 裕介 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50609500)
細谷 洋子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (60389856)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 舞踊記譜法 / リズム舞踊譜 / 舞踊民族誌 / サンバヂホーダ / サンバ / ブラジル / アフロブラジル舞踊 / アフリカン・ダイアスポラ・ダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界の民族舞踊の保存と継承の手段として舞踊譜に着目し、ブラジルの民衆舞踊であるサンバ・ヂ・ホーダの舞踊特性の記録保存と継承のための新たな舞踊譜開発を目的としている。これまで、アフリカやアフリカンダイアスポラの舞踊の記譜は、西洋で開発されたラバノーテーションやグラフノーテーションといった舞踊譜が適用されてきた。しかし、これらの舞踊譜を舞踊特性の異なるサンバ・ヂ・ホーダ等に用いた場合、無意味な動作分析になる危険性が示唆されている。したがって、舞踊特性に適切な舞踊譜で記譜することがその舞踊の保存および継承のツールとして活用する上で重要であり、その学術的社会的意義は大きいと考えられる。 今年度は、前年度の調査結果を踏まえ、舞踊譜案を作成した。舞踊譜案は、アフリカの音楽的特徴を表すために、音楽の進行を西洋の楽譜のような左から右ではなく円形で表記し、またポリリズムの3つのリズムパターンと3連符の基本ステップの対応関係を記譜した。また、サンバ・ヂ・ホーダの代表的な踊り方であるミウヂーニョを譜面中心に記譜した。この舞踊譜案と共に昨年度制作した参考動画を、ブラジルの研究者1名、舞踊実践者2名にオンラインにて視聴してもらい、聞き取り調査を実施した。その結果、調査対象者からは、舞踊譜案について概ね賛同を得られたが、サンバ・ヂ・ホーダの代表的な踊り方については、研究者Aはミウヂーニョ、サパチアード、コルタジャカの3種類、実践者Bはサパチアードのみ、実践者Cはコルタジャカのみを上げ、回答は三人三様であった。これらの調査結果を踏まえて、サンバ・ヂ・ホーダの代表的な踊り方の1つであるミウヂーニョを記譜した「リズム舞踊譜M」を完成させた。また、サパチアードとコルタジャカを含むサンバ・ヂ・ホーダのその他の踊り方に関する調査が必要となり、現地での調査が今後の課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度においても、世界の感染症状況は収まらず、現地調査の実施が叶わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度こそ現地調査を実施し、サンバ・ヂ・ホーダの多様な踊り方を映像の記録に残し、また対面での聞き取り調査を実施したい。ミウヂーニョ以外の踊り方を舞踊譜として作成する予定である。
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Causes of Carryover |
理由は、昨年度も感染症の状況により、ブラジルへの現地調査が叶わず、旅費の支出がなかったからである。本年度は現地調査を8-9月あるいは2-3月に現地調査を実施予定であるため、費用は使用される計画である。
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Research Products
(9 results)