2020 Fiscal Year Research-status Report
Visualizing Policy Networks and Elucidating Political Power Structures: An Application of Discourse Network Analysis
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20K20748
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 英弘 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20431661)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 政策ネットワーク / 政策過程 / 政治的影響力 / 言説ネットワーク分析 / 政治家 / 官僚 / 利益団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、言説ネットワーク分析を用いて、政策争点と関連アクターとの相互関係をネットワーク・グラフによって可視化し、数量分析を行う。これにより、政策争点をめぐってどのような利害対立の構造があるのか、それが時間の経過とともにどのように推移したのか、そして最終的にはどのような帰結へと結びついたのかという政策過程のダイナミクスを体系的・統一的に把握する。具体的には、40年間のエネルギー政策(原子力政策)と消費税導入・増税を取り上げ、政策形成プロセスのダイナミクスを描出する。 そのためには、政策に関する情報を収集し、各政策に関する審議の経過および関連アクターの発言(言説)や行動について、新聞記事、業界紙、関連アクターのウェブサイト等から情報を抽出する必要がある。初年度は、効率的に情報を収集するための方法を検討したうえで、その作業を進めた。具体的には、読売、毎日、朝日、日経の全国紙4紙のデータベースをもとに、キーワード検索を行い記事の総数を確認した。原子力政策については、1980~2020年の間に、読売43,329、毎日43,036、朝日48,366、日経44,452件の記事が得られた。また、消費税導入・増税(間接税含む)については、読売39,754、毎日23,001、朝日40,444、日経36,726件の記事が得られた。これらの膨大な記事のうち、各アクターの政策に関する発言など必要な情報が掲載されている記事を取捨選択しつつ、コーディング作業を円滑に行うための整理作業を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、研究の体制を整えるために時間を要した。具体的には、人員を配して、各社の新聞記事データベースから効率的に記事を抽出する方法を確立するのに試行錯誤が必要だった。現在では、この問題をクリアし、作業が軌道に乗り始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、1980~2020年の原子力発電と消費税導入・増税をめぐる政策過程に関する情報について、読売、毎日、朝日、日経の各新聞記事から抽出している。この作業を2021年度の夏をめどに完了させる。そのうえで、言説ネットワーク分析のためのコーディング作業を行い、2021年度中にデータを完成させる。研究成果は適宜、公表していくものの、2022年度に集中的にデータ分析を行い、学会報告、論文投稿のかたちでの研究成果公開を積極的に進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当初、人を配して作業をする準備がうまくできなかった。また、打ち合わせ等の出張に行くこともできなかった。この他、データベース使用料を見込んでいたが、学内の無料サービスである程度代用可能であることが明らかとなった。 そのため、当初の使用予定額から余剰分が生まれたため、次年度に繰り越して使用したい。データベース使用料が予定よりもかからない分は、情報収集する政策を増やし、その作業のための謝金に充てたいと考えている。
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Research Products
(7 results)