2020 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative Analysis of Workplace Environment and Improvement of Communication among Employees using Vice Information
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20K20757
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 勝 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (10340647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 知晴 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (00733057)
山根 承子 大阪大学, 経済学研究科, 招へい研究員 (40633798)
三浦 貴弘 関西大学, ソシオネットワーク戦略研究機構, 非常勤研究員 (60832342)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 職場環境 / チーム生産性 / コミュニケーション / 人的資源管理 / 労働経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では職場環境の向上を模索する企業の協力のもと、「職場環境の改善によってコミュニケーションの量・質が向上するのか」をフィールド経済実験によるアプローチから明らかにすることを目的とする。ここでいう職場環境とはブレスト形式で行われる会議に使う会議室が開放的な環境にあるかどうかに注目する。昨年度中に協力して頂く企業と打合せをし、今年度が始まってすぐに実験及び実地調査を開始する予定であったが、当該企業は新型コロナウィルス感染症拡大防止に対応するために忙しく、予定通りの協力を得られる時間的余裕がなかった。しかし、昨年採択された7月から今年3月までの短い期間でも、研究代表者・分担者はこの研究に関連する研究実績を残してきた。Takii, Sasaki and Wan (2020)では、企業内の昇進と配置転換のタイミングを特定の人的資本に関連付けて仮説を立て、その仮説を企業データから検証した。企業内という内部労働市場で人材の配置がどのようにダイナミクスに変動するか、そしてその要因を探ることは職場環境の在り方を検証することに関連すると考えられる。研究分担者の森氏が加わったKawamura et al. (2021)は財テクの知識がある人とそうではない人とでは投資行動に違いがあるのかをアンケート調査から検証した。研究分担者である山根氏が中心となった研究(Yamane et al. 2020)では、経済合理的な特性を持っている人とそうでない人では仕事のパフォーマンスが異なるのかを日米のアンケート調査から検証した。個人の特性に加えて、職場環境が仕事のパフォーマンスに与える影響を分析する研究は、山根等の研究と関連するし、延長線上にあるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも既述したように、昨年度中に協力して頂く企業と打合せをし、今年度のはじめに実験及び実地調査を開始する予定であったが、当該企業は新型コロナウィルス感染症拡大防止に対応するために忙しく、予定通りの協力を得られる時間的余裕がなかった。しかし、新型コロナウィルス感染症防止が十分にとれるようになったこともあり、今年度は実験及び実施調査を実施する予定である。そのための準備(文献収集やプログラムの作成)に関しては予定通りに進んでいることから、全体的に「おおむね順調に進展している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】に既述したように、新型コロナウィルス感染症防止が十分にとれるようになったこともあり、今年度は実験及び実施調査を実施する予定である。仮に新型コロナウィルス感染症がこれまで以上に拡大し、企業の協力が求められない場合は、アンケート調査に切り替える。アンケート調査は経済実験と違って、実際の行動・選択から顕示選好の度合いをデータ化することはできないが、幅広くデータを取集できる利点がある。
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Causes of Carryover |
採択された2020年7月から2021年3月までの期間中、新型コロナ感染症拡大により研究活動が大幅に制限された。企業の協力による経済実験は延期になったり、資料収集や学会のための出張がいけなかったりした。そのため、予定していた通りに研究費を使うことができなかった。
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