2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20765
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 悟一 九州産業大学, 人間科学部, 准教授 (30734149)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | ラボラトリー実験 / 脳波 / ナッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳波計を用いたラボラトリー実験によって、ナッジ的施策の心理的効果の計量的な把握を目指す研究であり、当該年度は研究課題最終年度として、これまでの研究蓄積にもとづき、研究課題の中核となる実験を行うとともに、これまでの関連研究成果の総括を行った。 当該年度では、脳波計を用いたラボラトリー実験を九州産業大学において行った。本研究を実施するにあたり、これまでの研究から、グループ間競争における感情変化がグループ間での協調行動に与える影響に着目した。実験参加者にはグループ間競争を行わせた後、グループ間での協調的な意思決定を行う実験に参加してもらった。この実験中に、実験参加者は、実験実施中に脳波計を付けてもらうことで、グループ間競争で発生した感情を計量的に捉える試みを行った。実験の結果、グループ間競争を経験した参加者は、グループ間競争後、経験をしていない参加者と比較した場合に、有意な脳波傾向の差が確認された。今後、より頑健な計量分析を行ったうえで、国際学術誌等への投稿を目指す。ただし、今回の実験結果から、脳波計で得られたデータと実験参加者の行動データを結びつけるために、新たな計量分析手法が必要であることなど、今後の研究課題も見受けられた。新たな課題も散見されたが、本研究での実験結果は今後の脳波計の実験経済分野への応用事例として、重要なインプリケーションを示すことができたと考える。今後、本研究課題終了後も継続して、分析を行い続ける予定である。 第2に、当該研究活動に関連して進められてきた研究成果についても、国内外の学会等で研究発表を行い、社会への研究成果の発信を行うことができた、論文として取りまとめた研究成果については、順次、学術誌への投稿作業を行っており、これまでの関連研究論文のなかで、国際学術誌等への投稿を行ってきた論文の掲載決定が決定し、すでに学術誌への掲載がされた。
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