2021 Fiscal Year Research-status Report
アート志向の解明による製品開発研究のブレークスルー
Project/Area Number |
20K20768
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須永 努 関西学院大学, 商学部, 教授 (20438914)
藪野 健 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30239834)
岩下 仁 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (30608732) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | アート志向 / 製品開発 / センサリーマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では芸術家の創作プロセスに光を当てることにより、芸術家特有の創作視点や創作プロセスを明らかにする。そうした芸術家特有の志向を「アート志向」と呼ぶ。2年目については、以下の研究を進めることができた。 まず、1年目に引き続き、アートや製品開発に関する文献調査に取り組むことで、既存研究の整理を進めている。今後、これらの文献については、先行研究を整理したうえで、レビュー論文などとして成果発表をする予定である。 次に、アートを職業としている人物に対して、1年目に実施した6名のヒアリング調査に続き、さらに2名のヒアリングを実施した。今回のテーマである「アート志向の解明による製品開発研究のブレークスルー」に基づき、まずアート志向の実態を明らかにしなければならない。そのため、職業としてアートに取り組んでいる人々が、どのようなマインドで自らの作品を生み出しているのかについての考察から着手した。そこでの結果は現在整理段階にあるが、作品の着想、作品の制作プロセスなどにおいて、私たちがビジネスの分野でこれまで接してきた志向とは明らかに異なる志向が見いだされつつある。 また、アートと音楽の結びつきにも注目し、特に音楽を聴いた消費者が、その後に見たアート作品やアートが盛り込まれた製品に対して、どのような知覚や評価を行うかについて検証した。以上の調査については、1年目に国内において実施したパイロット調査の結果に基づき、研究の一般化可能性を高めるため、同様の調査を海外にて実施した。また以上の結果は2021年10月に海外にて学会報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
音楽とアートに関する研究については、グローバルな視点を盛り込むために海外にて調査を実施するとともに、成果発表として海外学会にて報告を行った。当該研究については、国内において追加的な調査を実施する予定である。一方、アート志向の尺度開発に向けて、初年度に導きだされた要素をもとに、アート志向の尺度開発を進める予定であった。しかし、追加的な文献レビューを実施したことにより、尺度開発の完成には至っていない。したがって、全体の進捗状況としては、やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年目については、2年目に引き続き、アート志向の尺度開発に向けて、初年度および2年目に導きだされた要素を整理していく予定である。その際、2年目までに実施したインタビュー結果や既存研究のレビューをもとに、アート志向を構成する要素の特定を行うことを予定している。加えて、2年目に実施したアートと音楽に関する海外での調査結果をもとに、国内において実験室実験を実施することを予定している。
|
Causes of Carryover |
コロナの影響で分担者の移動の減少や、海外学会において対面での成果発表を予定していたが、オンラインでの発表に変更されたことにより、当初の予定よりも予算使用額が減額した。この残額については、アンケート調査におけるサンプルサイズを増やすことで、より安定的な調査結果を導き出すなど、有効な使途を考えている。
|
Research Products
(1 results)