2023 Fiscal Year Research-status Report
オントロジー工学による会計上の不正仮説生成に関する研究
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20K20770
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
瀧 博 立命館大学, 経営学部, 教授 (20292138)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | 不正リスク / 不正シナリオ / 財務諸表監査 / 公認会計士監査 / 行為分解木 / オントロジー工学 / 粉飾決算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、これまでの共同研究の成果である固定資産の減損に関する会計基準と会計上の見積もりに対する監査に関する基準を行為分解木の記述枠組みを利用し、行為モデルとしたものを人工知能学会全国大会(熊本城ホール、6月8日)で報告した。この報告は、全国大会優秀賞(一般セッション口頭発表部門)を受賞した。 この研究報告の質疑において、クラスとインスタンスとの関係、行為モデルの循環について指摘を受けており、この件は、会計基準及び監査基準の行為モデルの位置付け特性を再認識し、また、全体的な構造を決める上での重要な要因となった。 なお、この研究の最終的なゴールは、会計上の不正に関する仮説生成をユーザが行う認知的なプロセスのモデル化である。このモデルの構築については、2023年度には完成せず、2024年度にかけて行うこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
過年度のコロナ禍のため、十分な研究時間の確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、財務諸表の重要な虚偽表示の原因となる不正について、その概念と行為に関する一般的なモデルと、固定資産の減損の領域に特化したモデルの構築を行うとともに、後者の有効性を検証するため、監査法人に対するヒアリング、または学生に対する実証実験を実施する。その結果を2025年度の人工知能学会で報告するため、2024年度中に実施される研究発表の募集に応募する。
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Causes of Carryover |
研究が遅れており、また、今後の研究の推進にも記載の通り、2024年度に最終的な検証を行い、その成果を学会で報告するためである。
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