2020 Fiscal Year Research-status Report
Ethnomethodology as a methodology of disability sociology
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20K20782
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
樫田 美雄 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (10282295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 光弘 成城大学, 文芸学部, 非常勤講師 (30619771)
榊原 賢二郎 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 研究員 (90803370)
石島 健太郎 帝京大学, 文学部, 講師 (70806364)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 障害学 / エスノメソドロジー / デューズベリ / バーデュ / 障害者スポーツ / 軽度障害 / 現象学 / 円形脱毛症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問題意識にしたがって、初年度は、障害学の「社会モデル」に関しての文献学的検討を中心に行った。 まず、パーデューら2013論文(Who’s In and Who Is Out? Legitimate Bodies Within the Paralympic Games)を読むとともに、順天堂大学の渡正先生をゲストにお迎えして、ご講演を頂くとともに、質疑応答を行った。 ついで、デューズベリほか2004論文(The anti-social model of disability)を読むとともに、岡田光弘氏による解説を聞き、討議を行った。議論としては、とうぜんのことながら、「損傷(インペアメント)」の存在を疑わずに、障害者の生きづらさを「障害(ディサビリティ)」にのみ帰責する議論は不適だが、障害学の議論の幅や拡がりを考えるのならば、障害学の全体をそのような構図主義的な批判で扱うこともまた不適であり、イギリスにおける現象学の受容が、日本におけるその受容とは異なることも踏まえた議論が必要である、ということとなった。 また、これらの理論的議論の意義を確認するために、研究代表者および研究分担者が所有しているリアルデータとの照合もデータセッションの形でおこなったが、そちらも大変に有意義であった。 また、オプショナルな研究会として、見た目問題(見た目障害)としての「円形脱毛症」の研究者である吉村さやか氏(日本大学)の博士論文公開審査会に全員で出席し、議論に参加したが、これも大変有益だった。この博士論文公開審査会の直後に、科研費研究会を開催し、公開審査会の感想を述べ合ったところから、下記の「人権社会学」の構想が生まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の情勢ではあったが、対面式研究会を1回と、オンライン開催の研究会を2回開催し(各4時間)、議論の基本線をおさえることができたから。 それぞれが、テキスト読解や、手元に持っている実際のデータを用いて、この研究会の機会を生かして議論の血肉化を進めることにも成功したから。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究を進める中で、「社会学」という学問が持っている特質としての、多様性志向あるいは変革志向というものが、「障害学」の見直しに有効であるということがより明確になってきた。そして、科研費を構想した際の構図(現状から短期・中期的に改変を試みる学問としての障害学 vs.現状から中期的長期的に改変を試みる学問としての障害社会学)をより大きな視野で捉える新構想案が見いだされた。それが「人権社会学」という構想(案)である。 つまり、現状から短期・中期的に改変を試みる学問は「障害学」に限らず、「憲法学」等たくさんあるのであって、その全体を(そのいずれをも)普遍化し、多様性志向に鍛える学問として「人権社会学」を構想することができそうなのである。したがって、2021年度は、予定通り、ゲスト付きの長時間研究会を継続するほか、この「人権社会学」の構想を進めるためのオンライン・シンポジウムを開催し、本科研の方向での議論を大きく先に進めたいと考えている。具体的には、見た目問題(見た目障害)に関わった実例をもとに、従来の障害学では救済の論理を立てにくかった議論が、社会学的視点を用いると、どのように救済の論理を立てやすくなるのか、を明らかにしていきたい。そのために、今年度はシンポジウム準備費用が発生するが、科研費には、成果の還元を日々図っていくことも課題となっているため問題ないだろう。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の情勢で、予定していた対面研究会3回のうち、2回がオンライン開催となり、旅費の執行ができなかった。また、海外からの本の取り寄せに若干の遅れが生じている。なお、2021年度に関しては、2020年度の議論の進展をうけて、「人権社会学シンポジウム」を開催するが、このシンポジウム開催経費に関しては、2021年度分として請求した助成金と2020年度の「次年度使用額」とを合わせて使用する。
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Research Products
(3 results)