2023 Fiscal Year Research-status Report
精神障害をめぐる「リカバリー・ループ効果」の促進要因を明らかにする
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20K20784
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
澤田 千恵 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (20336910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 孝二 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30291991)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | リカバリー / 精神障害 / 精神疾患 / 服薬アドヒアランス / 自己決定支援 / エンパワーメント / 薬によらない治療 / 向精神薬の断薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は主に以下の2点である。 1つ目は、ノルウェーと日本「薬によらない精神医療」(Medication-free treatment) をめぐる対話という研究会を2024年3月24日にオンラインで開催したことである。スピーカーとして、ノルウェーの当事者団体We Shall OvercomeのMette Ellingsdalenさん、心理士のBrigit Vallaさんをお招きし、ノルウェーにおける薬によらない精神医療の取り組みの背景やその考え方などについてお話いただいた。また、日本からのコメンテーターも2名お願いした。参加登録者数は549人だった。この公開研究会の準備のために、月1回のペースで研究会を実施して準備を進めた。 2つ目は、内外の文献研究である。精神疾患患者の服薬に関連する研究論文を広く収集し、内容を検討した。その結果、服薬アドヒアランスの向上を目的とする研究と、当事者の服用経験に着目して当事者にとっての服薬の意味や服薬をやめることの意味を明らかにする研究の大きく2種類の研究が行われていることが分かった。後者に関しては、前者に比べて研究蓄積がまだ少ないが、向精神薬の長期使用に関する懸念や長期使用のもたらす逆説的な影響の指摘、リカバリー志向のアプローチの興隆などを背景にして、服用を中止する当事者の決定を合理的な判断として支持する研究が登場していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、精神疾患を対象にした服薬に関する研究の内外の動向について調査した。文献を広く収集し、どのようなことが課題となっているかが把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施したインタビュー調査で得られたデータを統合する方法を学び、その方法に基づいて、データの統合を行う。 リカバリー、ならびにリカバリーと服薬に関連する先行研究を収集し、どのようなことが課題となっているかをまとめる。
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Causes of Carryover |
データ収集に時間を要し、さらに、収集したデータの統合にも時間を要するため。昨年度までに得たデータを統合し、さらに必要なデータを補足し、それらから結果を出すために、あと1年間、研究を実施する必要があるため。
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