2020 Fiscal Year Research-status Report
A comparative, integrative approach to asymmetrical interaction: A plan and design of phenomenological sociology of touch
Project/Area Number |
20K20788
|
Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 光弘 成城大学, 文芸学部, 非常勤講師 (30619771)
西澤 弘行 常磐大学, 人間科学部, 教授 (50296068)
坂井田 瑠衣 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 日本学術振興会特別研究員 (90815763)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 触覚 / 観察社会学 / 複感覚的相互行為 / エスノメソドロジー / 会話分析 / 三人称研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では以下の6つのプロジェクトを立てている:「視覚障害者データ分析」,「失語のあるひとデータ分析」,「薬物依存回復グループワークデータ分析」,「触手話データ分析」,「言語文化的比較対照」,「現象学的社会学概念の再定立」である。メンバー間での研究会活動はZOOMを活用して遠隔でおこなった。後掲の論文や研究会発表に結びつけた。 6つの柱のなかで「現象学的社会学概念の再定立」を岡田が中心となり進めた。2020年秋のEMCA研究会大会での発表を踏まえて論文化を行った。エスノメソドロジーを「三人称の現象学」であると位置づけるWes Sharrockたちの議論の検討を行うものとなった。理論的・学説史的背景をメンバー間で共有することができた。 「視覚障害者データ分析」はメンバー間でのZOOMによる研究会を重ねて,坂井田と西澤による2件の研究会発表を行った。また,2021年6月の17th International Pragmatic Conferenceでの南を筆頭とする発表に応募し採択されている。メンバー間での研究会に加えて,樫村志郎神戸大学名誉教授主宰の研究会においての検討も行った。いずれにおいても,視覚障害者が白杖や足裏を介した触覚を通じて環境を知覚していること,そして,歩行訓練士がそれを指導の資源としていること,さらにそれらの行為・活動の組織とが明らかとなった。 「薬物依存回復グループワークデータ分析」についても研究会を経て,2021年5月の日本保健医療社会学会大会において「薬物依存者の回復ワークの諸相:認知行動療法グループワークのインタラクション分析に向けて」という発表を予定している。 メンバーを中心とした研究会に「触手話データ分析」の岩崎もオーストラリアからZOOMで参加し,「言語文化的比較対照」に向けた足がかりとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
6つの研究プロジェクトのうち,「現象学的社会学概念の再定立」は2020年度にひとまず論文化にこぎつけた。「視覚障害者データ分析」を重点的に進めて国際学会発表に結実した。「薬物依存回復グループワークデータ分析」も学会発表の予定となっている。 「失語のあるひとデータ分析」と「触手話データ分析」はやや遅れ気味となっている。 遅れの最大の理由はコロナ禍である。海外の学会参加と研究協力者訪問ができなかった。また,国内における出張を伴う調査も控えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍のため,遠隔を中心とした研究会を中心に進める。海外の研究協力者との研究会合もZOOMを介して行っていく。 「失語のあるひとデータ分析」では,データ収集を進めるとともに,研究会でのデータ分析をおこなう。「触手話データ分析」についてもZOOMでの研究会を実施する。 2021年6月末からの17th International Pragmatic Conferenceにおいては,「Practice-embedded-demonstration in instruction sequences between an orientation and mobility specialist and a person with visual impairment」という研究発表を行う。その後論文化に取りかかる。「薬物依存回復グループワークデータ分析」も学会発表を踏まえて,論文化を進める。
|
Causes of Carryover |
2020年度には夏休み中に渡米し学会発表をおこなう予定があった。その際に米国各地の研究者仲間との研究会合を行う計画を立てていた。だが,コロナ禍のために海外出張はもとより国内出張もできなくなった。また,ヴィデオカメラなどを購入しての現地調査とデータ収集も計画していたが,こちらもコロナ禍のために実施がかなわず,それに合わせて機材の調達を見合わせた。2021年度にはこれらについて進めていく。
|
Research Products
(3 results)