2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of Gender Minorities in Economic Development-Comparative Studies of Two Major Religions in Southeast Asia
Project/Area Number |
20K20792
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大門 毅 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (80329333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 真里 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (90334995)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ジェンダー / LGBT / 経済発展 / 性的マイノリティ / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、東南アジアにおいて、性的マイノリティの人たちが経済発展の影でどのような扱いを受け、また、社会の一員として発展プロセスに貢献し得るのか、寛大と言われるタイと厳罰が課されるマレーシアを比較検討する。ジェンダーの多様性が法的に整備されても、伝統的な男女の性差に対する規範・慣習が上位規範として存在する場合には、結果としてジェンダー・マイノリティの真の権利(特に、雇用機会・賃金などの経済的権利)は保証されないのではないか、関係者へのヒアリングを通じて実証する。経済発展におけるジェンダー・マイノリティの役割を通じて、「経済発展と宗教的道徳観」の核心的課題を比較研究することを目的とする計画であった。 文献精査としてイスラム教と仏教の開発に関する見方について検討を重ねた。仏教が比較的性的マイノリティについて寛容であるのに対し、厳格なイスラム教では忌避の対象となり、マレーシアやインドネシアの一部地域(アチェ等)では社会における立場も弱い。現地調査ではこれらの実態についてより深掘りする計画であったが、主として文献精査を行うにとどめざるを得なかった。 以上のように、2020年度においては研究を開始し文献精査と研究会を行った。海外渡航を予定していたが、コロナ禍のために中止・延期を余儀なくされた。当面は文献精査と国内研究会を研究の中心としつつ、オンラインを通じて対外的に発信していくことを検討する。また、場合によっては国内調査(農村や離島)を行うことで、海外調査に代替することも検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために予定していた海外渡航が中止・延期を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外渡航が解禁され次第現地調査を行う計画。タイ及びマレーシア・シンガポールへの渡航を計画している。渡航禁止期間中は国内での研究会を継続するとともに、可能な限りオンラインによる現地調査を行う予定である。また、海外調査に代えて国内の調査(農村調査等)に切り替えることも視野に入れ、広い意味での開発とジェンダー論を研究していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため海外渡航が制限され現地調査が中止・延期されたことにより未使用残が生じた。2021年以降に渡航制限が解除され次第、調査を再開すると同時に、場合によっては一部国内調査に切り替えるなど臨機応変に対応していきたい。
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[Book] 共生の思想と作法2020
Author(s)
笠井 賢紀、工藤 保則(編)・野田 真里
Total Pages
244
Publisher
法律文化社
ISBN
978-4-589-04057-2