2021 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児者のクリエイティビティ促進への相互活動支援パッケージの構築検証
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20K20808
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡崎 慎治 筑波大学, 人間系, 准教授 (40334023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大柳 俊夫 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70177020)
別府 さおり 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (30732995)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障害 / クリエイティビティ / プランニング / 相互活動 / 生体反応計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,新型コロナウィルス感染症拡大防止対策等により計画している実験実施がたびたび延期中断を行わざるを得なかった。その中でも,研究分担者,研究協力者との定期的なネットミーティングを行い,研究継続に係る諸事項の検討と報告,学会発表や投稿に係る検討を行ってきた。その成果として,研究採択前から準備を行っていた関連研究に関する研究論文の採択,国際学会を含む複数の学会発表を成果とすることができた。これらの準備,発表に対する意見等をふまえることで,年度途中の段階で本研究の中核であるクリエイティビティ(認知的クリエイティビティ)の評価,および評価と促進に係る支援パッケージの実施プロトコルについては方針が固まった。そのため定型発達成人を対象とした問題解決課題遂行時の認知的クリエイティビティのプロセス検討および相互活動の検討は一定程度の例数を集めることが可能となった。このことにより,前年度の方針とした生体反応計測のプロトコルと実際の支援場面での行動反応計測のプロトコルについて双方の利点と制約を踏まえ別に実施し,双方の知見蓄積をもって統合した実施プロトコルとする方針に沿った研究実施は一定程度できたものと考える。 しかしながら,小児を対象とした検討の延期中断による研究遅延の影響は大きく,発達障害児の協力による事例的検討を報告するにとどまっている。今後の感染症の状況による制約はあるが,これについてはできるかぎり次年度の早い段階にまとめる目処をつけられるような検討を継続するとともに,検討してきた事項や得られた結果について学会発表や論文投稿を通して計画的な公表を行う予定である。なお,進行状況によっては研究機関の延長についても選択肢とすることも検討したいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度から継続している新型コロナウィルス感染症拡大防止対策の影響で,研究協力者を対象にした実験等の実施遅延の調整に至っていない。実験実施の制約があった期間にあっても定期的なオンラインミーティングを中心とした情報共有,検討と,実施可能な範囲での予備的検討を継続して行い,本格的な実験実施に係り検討すべき事項の洗い出しとブラッシュアップは行うことができた。並行して年度後半には定型発達成人を対象とした検討を再開し,年度内にある程度の例数を確保することができたことから,研究成果公表の準備に入ることができる段階に至った。しかしながら,主要な計画である小児および小児と成人との相互活動については検討の延期中断による研究遅延の影響は大きく,発達障害児の協力による事例的検討を報告するにとどまり,当初予定より遅れが生じている。それぞれの成果については学会等の機会をできるだけ多く利用し公表することを予定しており,データ収集の努力とともにそのまとめの方向性については引き続き検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階である定型発達成人を対象とした問題解決課題遂行時の認知的クリエイティビティのプロセス検討および相互活動の検討は目処が立ったものの年度内の区切りがついていないため,まずこれをまとめることを優先していく。並行して,小児を対象とした実験実施を可能な限り前倒しで進めることを検討するが,困難な場合は研究機関の延長も選択肢とすることも検討する。並行して,検討してきた事項や得られた結果について学会発表や論文投稿を通して計画的な公表を行っていく。これらについては引き続き研究分担者および研究協力者との定期的なオンラインミーティングを中心とした情報共有,議論を継続して行い,更なる研究の進展に向けた視点の提供をめざす。特に,主要な計画である小児および小児と成人との相互活動については検討の延期中断による研究遅延の影響は次年度にも及ぶことが想定されるが,発達障害児の協力による事例的検討を報告するにとどまり,当初予定より遅れが生じている。それぞれの成果については学会等の機会をできるだけ多く利用し公表することを予定しており,データ収集の努力とともにそのまとめの方向性については引き続き検討する。なお,引き続き研究分担者や研究協力者の所属機関での実施を含め,調査実験の実施及び得られた結果の検討について,クラウドストレージを用いたデータ共有,ネットミーティングを中心とした定期的な進捗状況確認を継続して行っていく。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き新型コロナウィルス感染症拡大防止対策にともなう実験実施や成果発表等の制約の影響があったことが主要因である。研究期間延長の可能性も選択肢に入れつつ,できるだけ予定通りの完了を目指し,雇用枠の増加,論文投稿に係る校正等諸費用の活用を通して,できるかぎり円滑な研究活動の実施を測ることを想定している。
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